第一章
[2]次話
無期限延期
多くのファン達がその小説の続刊が出ることを待っていた、この作家はとかく遅筆で続刊が出ることは他の小説家と比べてあまりにも遅かった。
新刊が出てから数年経つことなぞざらだ、だからファン達はいつも続刊が出るのを首を長くして待っていた。
「色々書いている人だけれどな」
「どのシリーズも続刊何時出るやら」
「いい加減書いて欲しいな」
「遅筆にも程があるだろ」
「四ヶ月とかそれ位で続刊出す人もいるのにな」
「この人一年に一冊出すかどうか」
「そんなのだからな」
そこまでの遅筆だからというのだ。
「一体何時出るか」
「特にそろそろクライマックスのファンタジーものな」
「現代日本を舞台にした」
「あれあと少しで終わる予定だっていうけれど」
「早く終わらせてくれよ」
「全巻書き終えてくれ」
その作品については多くのファン達が続刊を切望していた、他のシリーズよりもそうなっていた。それでだった。
その続刊が出ることが決まってだ、ファン達は喜んだ。
「やっと出るか」
「本当にやっとだな」
「前出たのは四年前だったな」
「前はもっと長い期間空いていたからよかったよ」
「四年で続刊出て」
「それ位で出るなら本当にいいよ」
四ヶ月か半年、早い作家なら三ヶ月で続刊が出たりもするがもうそんなことは気にならなかった。彼等はとかく新刊が読みたかった。
「一体どうなるんだ?」
「何か現代日本で色々動きがあったが」
「もうここで大きく動くだろ」
「早く読みたいな」
「発売が待ち遠しいぜ」
ファン達は首を長くして続刊の発売日を待っていた、だがここでだ。
ファン達の間で一抹の不安がよぎった、それでそのことをサークルやインターネット上で話した。
「あのシリーズ社会評論多いしな」
「作者の極左のな」
「結構以上に日本の悪口書くしな」
「そっちの方にいかないといいな」
「そっちばっかりで一冊書いてストーリーが進まないとかな」
「そうならないといいな」
「それが不安だな」
このことを不安がったりもした、若しそうなれば作品としての面白さが損なわれると危惧してだ。それでだった。
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