第三章
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「あの方を信じてだ」
「フランス皇帝を」
「ボナパルト陛下をですね」
「戦っていこう、我々は必ずだ」
それでというのだ。
「主権も与えられて領土もだ」
「より与えて頂けますね」
「我々が功を挙げれば」
「その時は」
「そうなる、陛下はプロイセンもロシアも警戒しておられる」
そしてオーストリアもだ、それは彼の覇権の障害だからだ。
「ならばな」
「功によってですね」
「かつての連合王国の国土も回復出来」
「王権もですね」
「戻りますね」
「そうなる、だから我々は陛下に尽くすのだ」
ナポレオンにとだ、こう言ってだった。
ボニャトフスキはポーランドの為に戦った、だがそれは。
コシチュシュコはその彼を見てこう言ったものだった。
「最早彼はな」
「フランスの手駒ですか」
「ボナパルト皇帝の」
「そうなっていますか」
「ポーランドの為に戦っているが」
それがというのだ。
「実はな」
「それは、ですか」
「フランスの為であり」
「ボナパルト皇帝の為ですか」
「そうなっている、私はそうなるとわかっていた」
遠くスイスで言うのだった。
「既にな、しあkし彼はな」
「ポニャトフスキ様は違う」
「あの方はボナパルト皇帝を信じておられる」
「そうなのですね」
「純真な人物だ、それで彼のカリスマに魅入られ」
ナポレオンのそれのだ、実際にフランスだけでなく敵国でも彼に魅了され熱狂的に信奉する者が出ている。それが彼に助けられている国なら尚更だ。
「ポーランドの為に戦っていると信じていてもな」
「実は違っていて」
「フランスの為になっていて」
「ボナパルト皇帝の為になっていますか」
「そうなっている、立派な人物だが純真過ぎる」
それがポニャトフスキの欠点だというのだ。
「とはいっても私もな」
「コシチュシュコ様もといいますと」
「一体」
「祖国を守れなかった、同じだ」
悲しい目をして出した言葉だった。
「彼を笑えないし批判も出来ない、想いは同じで共に何とかしたい。そして彼は動いて」
「コシチュシュコ様は動いていない」
「だからですか」
「彼のことを言えない、ただ残念で無念に思うだけだ」
ポニャトフスキそして自分のことをだ、こう言ってだった。
コシチュシュコは今は動かなかった、ただスイスで時代の流れを見るだけだった。そして時代は彼の思う通りになり。
ポニャトフスキはポーランドに尽くした、しかしそれはやはりフランスそしてナポレオンの為になっていて。
ロシア遠征にも参加し死ぬ様になって祖国に帰った、ここでナポレオンの凋落は明らかになった。それでだった。
ワルシャワ公国の多くの者がナポレオンを見限った、だが彼はあくまでナポレオンの傍にいた。その彼に公国の者達
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