第一章
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灯台
瀬戸内のある灯台では灯台守の人達がとにかく暇を持て余していました。
それで、です。年配の灯台守である池辺十三さんが若い灯台守の三好龍興さんに言いました。
「何か面白いことしないかい?」
「面白いことっていいますと」
二人共灯台の中にいます、ですがすることがないので本を読んだりゲームをしたりするばかりです、退屈なのも困りものです。
「一体」
「うん、何かこれまでしていなかった」
「そうしたものをですか」
「してね」
そのうえでというのです。
「時間を潰さないかい?」
「そうですね、実際毎日暇で暇で」
それでとです、三好さんも言いました。もう角刈りに白いものが混ざっていてお顔にも皺がある池辺さんと正反対に若々しくて髪型も伸ばして茶色にしてお洒落な感じです。ですが二人共本当に暇そうです。
「困ってますしね」
「灯台が壊れたりしたら動くけれど」
お仕事があるのです。
「けれどね」
「普段はこうですからね」
「やることがなくてね」
「本当に暇です」
「そう、けれどね」
「その暇をですね」
「これから何とかしよう」
「本を詠んだりゲームをするだけじゃなくて」
もう毎日お仕事に出ては灯台の中でそればかりなので本当に飽きているのです。とにかく毎日ずっとですから。
「それで、ですね」
「そうしよう」
「とはいっても」
「何をするかだね」
「具体的にどうします?ここは本当に暇な灯台で」
灯台も色々で忙しい灯台もありますがこの灯台は本当に暇なのです。
「周りにも何もなくて」
「だから本やゲームばかりだね」
「そうです、本当にすることないですよ」
「お茶を飲むとか」
「お茶ですか」
「茶道をしないかい?」
池辺さんは最初こう提案しました。
「それだったら」
「そうですね、確かに時間は潰せますね」
「お茶の道具を買って」
「それもいいですね、お茶もありますと」
それならとです、三好さんも言いました。
「水分補給にもなるし」
「悪いことじゃないね」
「はい、お菓子も買って」
「お茶の道具も買ってね」
「飲みますか」
「そうしようか」
「紅茶もいいですね」
三好さんは三好さんでこちらのお茶をお話に出しました。
「そちらも」
「紅茶もだね」
「はい、こっちも楽しんで」
そしてというのです。
「時間を潰しますか?」
「いいね、それと最近ね」
「最近?」
「実は一番下の娘が影絵をしているんだよ」
ここでこんなことを言った池辺さんでした。
「何でもクラスの出しものらしくて」
「ああ、小学校でやりますよね影絵」
お茶のお話からです、三好さんもそちらに移りました。
「そういえば」
「うん、それでね」
「影絵
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