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天狗の作者
第四章
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「今の声優さんもか」
「ああ、人によるけれどな」
「名前は幾つあってもいいか」
「そうなんだな、しかし鞍馬天狗って面白かったな」
「また観るか?」
「そうするな、明日も観て」
 白馬は今は別の時代劇を放送しているそれを観た、今度は子連れ狼だった。それを観つつそうして言うのだった。
「福岡に帰ってもな」
「観るか」
「そうするな」
「それじゃあな、しかしな」
「しかしか」
「ああ、今夜色々話したな」 
 白馬は祖父と飲みながら話している今のことを思った。
「祖父ちゃんとな」
「それが祖父ちゃんと孫ってものだろ」
 寿福は白馬の言葉にこう返した。
「時々でも会ってそしてな」
「こうした話をするものか」
「そうだろ、何でもない様な話かも知れないがな」
「色々話してか」
「孫ってのは人生とか社会を学ぶものだろ」
「そんなものか」
「祖父ちゃんも子供の時はこうだったんだ」
 寿福は飲みつつ遠い目になった、氷で冷やされた梅酒は夏らしく実に美味い。
「それでな」
「俺もか」
「ああ、じゃあ御前も結婚して子供が出来てな」
「その子供が結婚して俺が祖父ちゃんになったらか」
「同じ様なことしろよ」
「その為には結婚しないと駄目だよな」
「当たり前だろ、けれど結婚したらな」
 その時はと言うのだった。
「いいな」
「孫が出来たらか」
「今のわしみたいに話すんだ、いいな」
「色々と話をしてか」
「孫に学ばさせるんだ」
「それじゃあな、そうするな」
「人間ってのはこうした時も学ぶものだからな」
 寿福は今も遠い目になっていた、かなり飲んでいる筈だが酔っている感じはあまりなく目にもそれが出ていた。
「しっかり話すんだぞ、御前が知っていることをな」
「そうするな、話すことはこれから学んでいくんだな」
「生きてな、今の話だってその中にあるからな」
 自分が白馬に話していること、それもというのだ。
「しっかりとな」
「生きてその生きて学んだことをか」
「御前の孫に言うんだ、いいな」
「わかったよ、祖父ちゃん」
 白馬は祖父に笑顔で返した、彼もかなり飲んでいるが酔いはあまり回っていない。
「そうするな」
「ああ、御前が祖父ちゃんになったその時にな」
「そうするな」
 白馬は飲みつつ答えた、そしてだった。
 二人でそれからも暫く飲んだ、そして枝豆も全て食べ。
 母に言われてそれぞれシャワーを浴びて歯を磨いてから寝た、そうして次の日福岡への帰路についたが母にこう言った。
「母ちゃん、俺今回の帰省のこと忘れないからな」
「?何があったのよ」
「いや、祖父ちゃんと話してさ」
 そしてと言うのだった。
「色々わかったからさ」
「そういえばあんた昨日お祖父ちゃんと飲みながら話してたわね
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