暁 〜小説投稿サイト〜
ENDLESSセカンドバージョン
第二章
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「観ていてもな」
「何にもならないから」
「だからな」
「テレビはなのね」
「俺今から仕事だしな」
 食ったら会社に行く、そうする。
「だからな」
「もうテレビは切って」
「そしてな」
「静かに御飯食べるのね」
「それでいいだろ」
 テーブルの自分の席から向かい側の席に座る妻に言った、社宅の団地の四階にある部屋の窓から街が一望出来るのはよかった、しかしテレビのお陰で気分は最悪だ。
「もうな」
「それじゃあ切るわね」
「ああ、野球の結果はネットで昨日確かめたしな」
 贔屓の横浜は大嫌いな巨人に三十点差で勝った、ならそれでよかった。
「サッカーもそうしたしな」
「ならいいのね」
「話はネットでチェック出来るしな」
 世間の話とか流行のそれはだ、スマホを出したらそれで出来る。
「だからな」
「もういいのね」
「ああ、もういいさ」
「観るのドラマ位だしね」
「テレビが面白くないな」
「かけもりじゃなかったら後はしょうもないバラエティ番組ばかりだし」
「何が面白いんだよ」
 テレビを観てもだ。
「かけもりで次から次にどうでもいい話ばかりやってな」
「正直うんざりよね」
「全くだよ」
 こんな話をしながらトーストと目玉焼きを食って野菜ジュースを飲んでからだった、俺は歯を磨いて顔を洗って出勤した。そして妻も暫く後でパートに出た。何か最近妻が太ってきたのは気のせいにしたいとか思いながら。
 会社に行って昼に会社の近くのラーメン屋で昼食のラーメンを食った時もだ、店のテレビではかけもりの話だった。
 それでだ、俺はまた言った。
「この話またかよ」
「またですよね」 
 一緒に食っている後輩もうんざりとした顔で言ってきた。
「ええと、財務省でしたよね」
「今度はな」
「文書改竄とかで」
「何か次から次に出て来るけれどな」
「同じ新聞社から」
「この話絶対にあそこから出て来るんだよな」
 ネットでは偏向や捏造記事であまりにも有名な浅墓と変体特に浅墓からだ。
「もうな」
「絶対にあそこからですよね」
「百パーセントな」
 こう言っていい、かけもりの話では。
「今回は嘘じゃなくてもな」
「問題じゃないことをですね」
「問題だって騒いでな」
「そうしてますよね」
「それでテレビじゃいつもだよ」
 この一月そうだし去年も長い間そうだった、冗談抜きに延々とやられていてうんざりとなっていた。
「こうしてな」
「やってますよね」
「同じ話ばかりな」
「もう何がどうなってるんでしょ」
「覚えなくてもいいだろ」
 俺はカウンターの自分の隣の席にいる後輩に吐き捨てる様に言った、美味い筈の好物の豚骨ラーメンもまずく思えた。この店のラーメンは美味いのに有名なのにだ。
「そんなのな」

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