021話 修学旅行異変《五》 二箇所の戦闘風景
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一方シホは少し離れた高台の上に陣取り弓を投影しいざという時に見守っていた。
「今のところ刹那は大丈夫…。でもネギ先生のほうは…「アレ見て! アレ! あそこでも劇が…」あそこ? ッ!? お城の上に追い詰められている!」
シホが見た先ではお城の上でネギとこのかは符術師の女と謎の白髪の少年、それに幻想種の鬼と対峙していた。
「聞ーとるかお嬢様の護衛・桜咲刹那! この鬼の矢が二人をピタリと狙っとるのが見えるやろ! お嬢様の身を案じるなら手は出さんとき!!」
「まずいわね…アイツをどうにかしないと。投影、重装―――I am the bone of my sword.!」
符術師の女が叫び散らしている間にシホは宝具を投影して構える。
だがそこでともにいた白髪の少年がいち早く気づいたのか、
「(気づかれた!? だけど遅い!)偽・螺旋剣!」
シホの弓から放たれた魔剣は瞬く間に亜音速で空間を貫き幻想種へと向かっていった。
結果はすでにわかっている。
否、防ごうとしてもそれごと見事に粉砕するだろう。
だが、そこでミスが生じた。シホが放つ直前に城の屋上には運悪く突風が吹き荒れネギ達は多少だが動いてしまったのだ。
それで忠実に命令に従っていた幻想種はカラドボルクに貫かれる前に矢を放ってしまっていた。
――シホは残心がまだあったためすぐには動けない。
――ネギは実体でないため魔法すらも使えない。
万事休すかと思われた次の瞬間、
このかの前に、盾となり貫かれた、刹那が、いた。
シホは恐らく刹那の名を叫んだのだろう。刹那はそのまま落下していった。しかもそれを追ってこのかも飛び降りてしまった。
そこでシホは助けられないのか!? と苦虫を噛んだが、このかが刹那を抱きかかえた瞬間すさまじい光が溢れた。
シホは一瞬だが目を瞑ってしまったが、次に目を開けたときには二人は水面の上に浮かび上がっていて刹那の貫かれた傷も塞がっていった。
「あれが木乃香の隠された能力か。とてつもないわね…でも無事でよかったわ。でも…」
先ほど気づかれた事にシホは驚きを隠せないでいた。
距離があったし魔力も直前まで隠していた。だからあの一瞬だけで気づいたわけだ。
只者ではないと思い、そしてどこかであの白髪の少年を見た覚えがあるとも感じながら、ちびねぎと合流し逃げる準備をしている刹那達とともにシホは本体の元へと帰っていった。
◆◇―――――――――◇◆
「くぁー…また逃げられた。コラ、新入り。本当に追わんでええんか?」
「ええ。後でどうにでもできますから(しかし先ほどのすさまじい攻撃はいったいなんだ? 前にも記録でだ
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