二十 木ノ葉のスパイ
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をペロペロ舐める赤丸というほのぼのな光景を前にして、シカマルとキバが脱力する。
瞬間、二人の顔色が変わった。
「「ナル…ッ!!」」
シカマルとキバが一斉にナルに飛びつく。
押し倒されて、驚いたナルが眼を瞬かせると、視界の端で、赤丸が奇妙な猛獣に噛みついていた。黒い墨が飛び散る。
「な、なんだってばよ!!??」
墨へと変わった猛獣。
狛犬のようなソレに驚愕の表情を浮かべるナルに反して、キバとシカマルは彼女を守るように身構えた。
「あそこか…」
嗅覚が鋭いキバが逸早く、敵の居場所を突き止める。
いきなり襲い掛かってきた相手。正面の屋根の上に座っている人物の顔を認めて、シカマルは眉を顰めた。
(アイツ…何処かで…?)
見覚えのある顔に、顔を顰める。
色白の青年の姿に、ナルも不思議そうに首を傾げた。
「どっかで会った気がするけど、誰だってばよ?」
「知り合いにしてもいきなり襲い掛かってくる奴があるかよ!」
警戒体勢を取ったキバが、色白の青年向かって飛び出す。
途端、青年の術らしい数匹の狛犬がナル目掛けて襲い掛かった。
「チッ」と舌打ちしたキバが狛犬を赤丸と共に蹴散らしながら、「行け、ナル!!」と促す。
【影真似の術】の印を結んで青年を拘束する準備をするシカマルを横目で確認し、ナルもキバに続いて地を蹴った。
たくさんの狛犬がナルを邪魔するように襲い掛かってくるが、それらは何れもキバと赤丸が蹴散らしていく。
その合間を縫って、青年の許へ辿り着いたナルはクナイを即座に手に取った。
カキンと、短刀とクナイが搗ち合う音が響く。
刃物と刃物が軋む音を奏でる中、ナルは対峙している色白の青年を見据えた。
やはり、何処かで見た事がある。
過去の記憶を遡っていた彼女は、しかしながら、相手の下品な物言いで一気に引き戻された。
「野蛮だなぁ…君、それでもおっぱいついているんですか?」
朗らかな笑顔に反して下品な物言い。
女性に対する明らかなセクハラ発言に、ナルよりも、シカマルとキバのほうが青筋を立てる。
露骨に顔を顰めるシカマルとキバに反して、ナルは「しつれーなっ」と頬を膨らませた。
「エロ仙人のお墨付きの立派なのが二つ、ついてるってばよ!!待ってろ、今、見せて…」
「「やめろバカ!!!!!!!!!」」
怒りに任せて、その場で脱ごうとするナルに向かって、シカマルとキバが一斉に叫ぶ。
慌てて【影真似の術】を咄嗟に、色白の青年ではなくナルに仕掛けて動けなくしたシカマルに非はない。
代わりに、キバが勢いよく色
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