二十 木ノ葉のスパイ
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
と判断した。もっとも、それはカカシに限った話だが。
『暁』のサソリと直接闘って有意義な情報を掴んだらしい山中いのをちらりと見遣る。
師匠である綱手の視線を受けて、いのは微かに頷いた。
「『暁』のメンバーから得た情報です」
「十日後…天地橋、か…」
木ノ葉病院を出て、火影邸の露台で、いのからの報告を受けた綱手は思案顔を浮かべる。
草隠れの里にある天地橋。
そこで、大蛇丸の部下に潜り込ませた己のスパイと、サソリが落ち合う事になっていたという情報。
本来は、サソリというより、突如、いのとサソリの戦いに割って入ってきた謎の人物────つまりはナルトから得た情報だが、どちらにしても『暁』のメンバーからの情報である事は間違いない。
砂隠れの里から木ノ葉の里へ帰還したばかりの山中いのの話。
弟子からの報告に、綱手は顎に人差し指を添わせて考え込んだ。
「この情報を得た日から既に四日経っています。なので、六日後という事になりますが…」
「時間が無いな…カカシは当分あのザマだし」
木ノ葉隠れの里から砂隠れの里まで、急いでも二日半はかかる。よって、我愛羅を無事砂隠れの里まで送り届けて、急速に別れの挨拶をして帰還してきたものの、今や四日過ぎてしまっていた。
いのの言う通り、残り、六日しかない。
「しかし、この機会を逃す手は無いな。新しいチームを編成するしかあるまい」
「それならば、ナルちゃんは外すべきです!」
いのと綱手の会話を黙して聞いていたシズネが身を乗り出す。
九尾の狐の人柱力である波風ナルは、『暁』のメンバーから狙われている。
極力里外の任務は避けるべきだと意見するシズネを、しかしながら綱手は一蹴した。
「いいや。ナルは行かせる。百歩譲って、いのを任務から外したとしても、この任務にはナルを向かわせる」
「何故ですか!!??別の小隊を向かわせるべきです!」
猶も反論するシズネを一瞥した後、綱手は天を仰いだ。
「放っておいても、アイツは勝手に天地橋へ向かうだろうさ」
それなら最初から任務として行動させたほうが良い、と苦笑する綱手の言葉が終わるや否や、彼女が背にしていた手摺に、誰かが飛び乗った。
「流石、ばぁちゃん!オレのこと、よくわかってるってばよ!!」
とんっと軽やかな音を立てる。天地橋の話を聞いていたナルは、火影邸の屋上から飛び降りると、綱手の傍らの手摺の上で、にっと笑った。
「早速、メンバー探しするってばよ!サンキュー、綱手のばぁちゃん!!」
言うや否や、手摺を蹴る。
メンバー探しをする為に飛び出したナルの気配を背中で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ