Hey baby. How long will you stop crying. You will be smile soon.
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フッと焔がかき消えた。
「よかった。無事みたいだねリリ」
氷に閉ざされたキラーアント達の上を歩く一人の冒険者。
右手に槍を、左手に大鎌を持っている。
その二つが、一瞬で霧散した。
槍はキラキラと光るダイアモンドダストに、鎌は溶けるように消えた。
そして男の子がリリの目の前でしゃがみこむ。
「立てる?」
と手を差し出した。
「どうやって…ここまで……」
「見たでしょ? さっき僕が空間に穴を開けて出てきたの」
「モンスターは…」
「ぜーんぶ薙ぎ払ったよ」
見れば、ベルの体の至るところに傷があった。
左手に至っては、ワンピースを割いて巻いた箇所から血が垂れている。
「いやぁ、いくら空間転移できても予備動作が必要でさぁ。モンスター倒してからじゃないとうごけなかったんだよねー」
何でもないように言うが、その体は満身創痍だ。
「どうして…リリを助けたんですか…」
「え?」
「まさかご自分が騙されていたと気づかなかったんですか!? リリがおどかそうとナイフを持っていったなんて思ってるんですか!?」
キョトンとするベルにリリがまくし立てる。
「ベル様ってなんなんですか!? 馬鹿なんですか? 救い用の無いアホなんですか!?」
「いやアホって…そりゃないでしょ…」
「ベル様は気づいてないでしょう!? リリは換金の度にお金を誤魔化していました! ベル様とリリの分け前は六四です! アイテムのお使いの時も倍額を吹っ掛けました! レアドロップをパチッたこともあります!」
「へー」
「なんでそんなリアクションなんですか!? リリは悪い奴なんですよ!? 盗人です!嘘ばかりつく最低の奴ですよ!?」
「ぅ、うん…?」
「それでも…それでもベル様はリリをたすけるんですか!?」
「勿論だよ」
ベルがきっぱりと言った。
意志をやどした瞳で、リリを見つめる。
「なんでですか!?」
「えーと…そこは、ほら…女の子だから?」
カァッとリリの顔が熱くなる。
「なんですかそれ! ベル様のバカぁっ! 女だったらだれでもたすけるんですか!? しんじられませんっ! 最低です!女みたいな顔して女タラシですか!? ベル様のスケコマシ!スケベ! 女の敵っ!」
「ぅ……さすがに傷つく……」
ベルが、差し出した手でリリの頭を撫でる。
「リリの悲しい顔を、見たくないからだよ」
「リリは…そんな顔をしてましたか?」
「うん。いつも何か悩んでた。笑顔にも影があった。
だけど、僕はリリの心からの笑顔を見たい」
ふわりと、リリを抱き寄せた。
「なにか悩みがあるなら言ってよ。僕がどうに
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