第58話 目覚めた後で
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ち着きが無さそうだが大丈夫なのか?)」
「その前にリィン、悪いんだけど膝立ちになってくれない」
「えっ、どうして?」
「必要な事だから」
膝立ちが必要な事?俺は疑問に思ったが、言われたとおりにフィーの前で膝立ちになる。そうすると俺とフィーの目線が同じくらいになった。
「これでいいか?」
「OKだよ。次は目をつぶって」
「ん、了解」
目をつぶる?精神でも集中させるのかな?俺は言われたとおりに目をつぶった。
「つぶったぞ、フィー」
「ん、じゃあ今から教えてあげるね」
さて一体どんな方法だろう……うん?唇に何か当たったような?この感触、昔何処かで味わったような……っ!!?
「んっ……」
チラッと目を開けてみると、俺の眼前にはフィーの顔が大きく映っていた……ってえええぇぇぇぇ!?
(キスしてる!?俺とフィーが!!?)
なんとフィーは俺の唇に自分の唇を押し当てていた。
触れ合うだけの軽いキスだが俺の思考をぶっ壊すのには充分すぎる破壊力だ。
俺は思考を放棄してされるがままになる、そして10秒くらいが過ぎるとフィーは顔を真っ赤にしながら俺から離れた。
「なっ、ななな……!?」
「こうやって止めたんだよ。どう?何か参考になりそう?」
「いや、参考も何も……」
何事も無くそう言うフィーだが、どう見ても平常心ではない。
「そ、そのフィー……」
「なぁに?」
「フィーはその……俺の事を兄じゃなくて男として好意を持ってくれているのか?」
流石の俺もこんな真っ赤な顔をしながらキスをしてくれた女の子の気持ちを察せない程馬鹿じゃない。
俺がそう聞くと、フィーは黙ってコクンと頷いた。
「……何時ぐらいから?」
「リィンがD∴G教団に攫われて帰ってきた時かな。あの時わたしはリィンに嫌われたと思っていたの、わたしが原因でリィンは逃げられなかったから……」
「あれは俺が望んでしたことだ。フィーを恨むわけないよ」
「そうだね、リィンならそう言ってくれるよね。でも当時のわたしは罪悪感でいっぱいだったの。でもリィンはわたしを許してくれた。あの時からリィンの為なら何でもするって誓った」
フィーは両手で俺の手を包み込むように握る。
「でもね、その時からリィンと一緒にいるとドキドキするようになったの。頭を撫でられたりハグされるとポカポカした感じの中にドキドキとする熱が生まれてきた。マリアナに相談したら彼女はこう言ったの、貴方は恋をしたんだって……」
「……そっか、そうだったんだな」
俺は今まで妹のスキンシップだと思っていたが、フィーからすれば精一杯のアピールだったのか。
キスされ
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