第58話 目覚めた後で
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力に言葉が出なくなった。
昔から破天荒なところはあるが、猟兵を強く警戒するリベール王国にまで来るかな?
「しょうがないよ、団長だし」
「……それもそうだな」
昔からあの人の傍で暮らしてきた俺達には、そう言われてしまうと納得するしかない。
それに警戒はされてもこっちが何もしなければ向こうも下手な事はしてこないだろう。理由も無しに最強の猟兵団と争う気などないはずだからね。
「じゃあ行こっか」
「おう。あっ、ちょっと待ってくれ」
「どうしたの?」
「暴走した俺を止めてくれたのは団長なのか?」
俺がこうやって生きている以上、俺の暴走を止めてくれた人がいるはずだ。
それはもしかすると団長、もしくはカシウスさんかもしれない。
(どうしよう、団長だったらどうして今まで隠していたんだと怒られてしまうかもしれないぞ……!?)
俺は内心怯えていた。
団長は約束を守ることを重んじる人だから、俺がそれを破っていたと知れば相当怒るだろう。
昔喰らった拳骨の痛さを思い出してゾッとする、あれならシャーリィのブラッディストームを喰らった方がまだマシだ。
「リィンを止めたのはわたしだよ、団長達はその後に来た」
「えっ、フィーが?」
俺はそれを聞いてホッとするが、今度は小さな疑問が生まれた。
(フィーが俺を止めたのか?たった一人で?)
いくらフィーが強くなったとはいえ、暴走した俺を一人で止めれるのか?いやもしかするとフィーには何かとっておきの手があったのかもしれない。
「なあフィー、フィーはどうやって俺を止めたんだ?できれば教えてほしいんだが」
「……知りたいの?」
「ああ、もしかすればこの力を制御するためのヒントになるかもしれないからな」
俺はそういうつもりで聞いたのだが、フィーは顔を赤くするとプイッと目線を俺から逸らしてしまう。
「どうしたんだ?もしかして言いにくい事なのか……?」
「そういう……訳じゃ……」
「ハッ!?まさか暴走した俺がフィーに何かしたんじゃ……!?」
「ち、違う、リィンはしていない。どっちかっていうとしたのはわたしからだし……」
ボソボソと何かを呟くフィーに、俺は怪訝な表情を浮かべる。
本当に何もしていないのかな?まあ本人がしていないって言うのなら大丈夫だろう、フィーは嘘を付くような子じゃないし。
「ある意味チャンスだよね、これを機にリィンと……」
顔を赤くしながら何かを試行錯誤するフィーだったが、何か決意をこめた表情を浮かべて俺に寄ってきた。
「リィン、わたし覚悟を決めたよ。リィンをどうやって止めたのか教えてあげる」
「そうか……(なんか落
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