第58話 目覚めた後で
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と目を擦りながら眠たそうに辺りをキョロキョロするフィー。
こら、目を擦ったら駄目だろう?といつもなら言うが今はお尻の痛みで悶絶しているので何も言えなかった。
「……何してるの、リィン?」
そしてベットの下で腰を丸めている俺を見つけて小首を傾げていた。
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―――
「あいたたた……いやぁ、助かったよ、フィー」
「もう、やっと起きたと思ったら何をやっているんだか」
暫くしてお尻の痛みも引いてきた、俺は腰を摩りながら呆れた目で俺を見てくるフィーにお礼を言った。
「リィンも寝相が悪かったんだね、まさかベットから落ちてるとは思わなかった」
「あはは……面目ない」
まさかフィーの胸を触った事に驚いて落ちたなんて言えるはずもなく、俺は愛想笑いで誤魔化した。
「所でフィー。もしかしてここは……」
「ん。リィンが想像している通りグランセル城の客室だよ。クローゼが用意してくれたの、しかも態々わたし達が泊まっていたホテルから荷物も運んでくれた」
そうか、クローゼさんがこの部屋を用意してくれたのか。後でお礼を言っておかないといけないな。
「そう言えば、あの戦いからどうなったんだ?」
「……覚えてないの?」
「ああ、記憶が途切れていてな。ロランス少尉と戦っていたのは覚えているんだが……」
「そう……」
俺としては軽い気持ちでそう聞いたんだが、フィーが少し表情を曇らせてしまった。どうかしたのだろうか?
「……ねえ、リィン?」
「どうしたんだ?」
「あのね、一つだけ聞きたいことがあるの……あの姿が変わる力、アレは一体何なの?」
俺はその質問に言葉を失ってしまった。ど、どうしてそれを今聞くんだ?
「ア、アレって昔D∴G教団に襲われた時に見せたアレの事か?アレに関してはもう解決したからフィーが心配する事なんて……」
「……」
「ま、まさか俺は……」
誤魔化そうとした俺はフィーの有無を言わさないという強い眼差しを見て、気を失った後に自身が何をしたのか察してしまった。
「……使ったんだな。ロランス少尉との戦いの最中に」
「……ん」
フィーの頷きに俺は等々フィーの前であの力を使ってしまった事を酷く後悔した。
(抑えられなかったのか……くそっ、またフィーに要らない心配をさせてしまう!)
俺が昔D∴G教団に攫われ、色々あって西風の旅団に復帰した後の事だ。ある日フィーが俺の姿が変わったあの現象について聞いてきたことがあったんだ。
俺はよく分からないふりをして誤魔化した、フィーは納得していない表情だったが諦めたのかそれ以上
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