第65話:戦いの終わり
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そう思い込んでいただけだったんだ。デジタルワールドは、本当はずっと近くにあったんだ。大人でも、信じる心を忘れなかったら、後はきっかけさえあればきっと行けるはずだった。実際あんたはデジタルワールドに来れて…パートナーデジモンと会えたじゃないか」
大輔は及川に抱かれている及川のパートナーデジモンのピピモンを見つめながら言うと、及川は目を見開く。
デジタルワールドもパートナーデジモンも、本当はずっと近くにいた。
ただそれに気付かなかっただけで。
「さてと、この荒れ果てたデジタルワールドを元に戻さねえとな」
「元に戻すってどうやってよ?」
「あそこでさ」
大輔が指差したのは想いを具現化する世界。
「あの玩具箱世界で何をするんですか大輔さん?」
コトネが複数の疑問符を浮かべながら尋ねる。
「想いが力になるなら、あの世界の力でデジタルワールドを復活させるのさ。」
「そんなこと、出来るの?」
ヒカリの問いに大輔は笑みを浮かべた。
「俺達全員でやるんだ。楽勝だろ?何たって俺達には無限大の夢と希望があるんだからさ」
「…そうだね!!」
「全員の想いをデジタルワールド再生の力にすれば…」
「過去のデジタルワールドも元通りになるのね!!」
賢の言葉にアカリが言うと、全員の表情が明るくなる。
「よし、一世一代の…人間とデジモンの共同作業だ。やろうぜ!!」
ブイモンが拳を天に突き上げながら叫ぶと、大輔達や子供達が想いを具現化する世界に入る。
流石に全員は入りきれなかったが、出来るだけ近くに。
「さあ、みんな…覚悟はいいな?もしかしたら、凄え疲れるかもしれねえぞ?」
「やってやるわよ、ここまで来たんだから絶対に!!」
「うん、絶対にデジタルワールドを再生しよう!!」
大輔の言葉に京とタケルがそう返し、及川は子供達と共に立ちながら静かに口を開いた。
「……俺は、夢を持つ力が自分にある事を信じる事が出来なかった。人は誰でも挫けてしまう時がある。けれど、俺はそれを乗り越える事が出来なかった……俺にも、夢を叶える力があったら……君達のように、デジタルワールドを冒険する事が出来たんだろうか……?」
「出来ますよ」
「?」
及川が振り返ると、そこには親友の忘れ形見が優しい笑みを浮かべていた。
「夢を叶える力ならあなたにもありますよ。だって、現にこうして、デジタルワールドに来られたじゃないですか…パートナーデジモンに会えたじゃないですか」
「…そうだね。これが終わったら、俺は俺なりに罪を償おうと思っている。今までしてきた罪を…」
「殆どアルケニモン達がやったとは言え、あんたにも罪が無いってわけじゃないからな」
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