第八十九話 大坂に戻りその四
[8]前話 [2]次話
「かなりいい筋をです」
「いっているか」
「そう思うでござる」
智はミックスモダンを食べている、それならではの言葉だった。
「拙者は」
「そうか」
「巨人については」
「海の魔神が関係があるか」
「やはりそうでござろう」
こう言うのだった。
「それはやがてわかることでござろう」
「そうか」
「それで、でござる」
「今はだな」
「この大坂の統一でござるな」
「一つの勢力にしていく」
「そうでござる、しかしこの街は」
大坂という街についてもだ、智は述べた。
「随分と雑多でござるな」
「様々な勢力が存在しているな」
「表も裏も」
「裏はヤクザ屋だな」
「その連中も含めて」
そうしてとだ、智はミックスモダンを食べてそれから焼酎を飲んだ。彼が飲んでいる酒はそれだった。
「何かとでござる」
「武士は少ないな」
「殆どいないでござるな」
「武器を持っているのは僧兵だ」
寺社が多いだけにそうなっているのだ。
「この街の特色になっているな」
「この世界の大坂の」
「武士が少ないのは大坂らしいがな」
江戸時代大坂は町人の街だった、武士は五十万以上いた人口のうちで数百人程しかおらず一生武士を見ないで死んだ大阪の者がいたという。
「しかしな」
「僧兵がいるでござるからな」
「僧兵達はこれまで言った通りな」
「政として」
「寺社には檀家を置くが」
「荘園や僧兵は」
「取り上げる、そして法事等を任せてだ」
そのうえでというのだ。
「賭場の場所、ショバ代だな」
「それをでござるな」
「渡してだ」
そうしてというのだ。
「荘園の収入の代わりにさせる」
「そうするでござるな」
「取り上げて終わりだとだ」
革命でよくあることだ、それまでの既得権層のその権益を取り上げるのだ。中には取り上げただけでなく抹殺する場合もある。
「不満を抱える、俺は革命はしない」
「島を統一する為に相応しい政をするだけぜよ」
当季も言った。
「勿論島と民のことを考えてのう」
「それも世界を救うことだからな」
島た民を考える政もというのだ。
「するがな」
「それでもぜよ」
「取り上げても粛清するつもりはない」
革命の様にとだ、英雄もこう認識しているのだ。
「俺は革命はしない」
「普通の政じゃのう」
「寺社、宗教も否定しない」
「だからぜよ」
「寺社から荘園そして荘園を護る僧兵達を取り上げるが」」
「檀家に博打の場所代じゃな」
「そうしたものを渡してだ」
そのうえでというのだ。
「代わりにする」
「収入は与えるんじゃな」
「俺はこれでも神仏は否定していない」
無神論者ではない、英雄は言い切った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ