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獣篇V
50 お母さんは忙しい。
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_「副長、部屋の掃除が終わりましたので、他に余っている仕事などはありますか?」

と聞くと、彼は答えた。

_「あァ、仕事なら山のようにあるぜェ?…じゃあまず、この山を片付けてはくれねェか?」

と言って、とんでもない量の書類の山を渡された。これ、果たして終わるのか??心配になったが、まぁなんとかなるだろう。

_「分かりました。…他に何か書類(これ)に関して注意点などはありますか?」

_「いや、今のところ特にねェなァ。…あ、捺印のところさえ開けておいてもらえれば大丈夫だ。…で、それ以外で何かあったら、また副長室(おれのへや)に来い。お願いしていいか?」

_「承知しました。では、私はこれにて失礼致します。ありがとうございました。」


と言って自分の部屋に向かったのはいいが、この分量は今日中には確実に終わらない自信がある。www
これは、持ち帰り分もあるのだろうか。
とりあえず船に持って帰ることを前提で、書類の山をざっと確認した。?くらいは持って帰れそうなので、今からは残りの分を片付けるとしよう。バッグに頭を突っ込んで筆箱を探す。使っているのは有印の小物入れとして売っている縦長の筆箱だ。奥の方に落ち込んでいたので、手探りで漁る。腕の限界が来そうなところでようやく掴んで、引き上げた。やっとの思いで引き上げた筆箱のフタを明け、黒いペンを取り出す。同じくバッグから書類ケースを取り出し、take outの準備も兼ねる。また、できた書類を提出するための茶封筒を予め出しておくことにした。全てのスタンバイが整ってから、さっきの薬の出来具合を確認しに、ワープして、”秘密の部屋”に向かった。

部屋に戻ってから煮込んでいた薬の具合を見る。丁度よい色をしていたので、鍋を火から下ろし、出来上がった薬を瓶に詰めた。そしてもう一度違う薬を作るべく、鍋をキレイに洗って乾かす。次に作るのは、真実薬である。乾かす間に、次の薬材を刻み、必要な材料を揃えてから、鍋に放り込む。そして備え付けた暖炉の上に鍋を引っ掻けて、グツグツ煮込みを開始した。これは約三時間かかるので、剣にかかっている魔法を解き、鍋にかき混ぜの魔法をかけた。そして、そのまま片付けの魔法もかけてから、杖を(もと)に戻し、指パッチンで自分の部屋に戻った。置いてあったペンを手にとって、書類の山を片付けることに専念した。今日のうちに終わるかが心配だが、それは神のみぞ知る。

** * * * * * * * * * * * * * *

分けておいた分もなんとか終わったので、書類をまとめて、バッグにしまい、”部屋”に戻る。出来上がっていた薬を瓶に詰め、道具を片付けてからバッグにしまい、帰る為に上から着る着物を出してから、バッグのスイッチを切り替え、書類を副長室に持っていく
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