溺れし神は何を見るか
第三話:夢を見るときに。
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まさに奇跡。エネルの首に刃が降り下ろされる寸前に、まるで主を助けんがために、その"舟"は堕ちてきた。
「マク……シム……!!?」
方舟マクシム。エネルがスカイピアの兵士達に作らせた、世界で唯一の空飛ぶ舟。
「何故ここに……」
それは、単なるエネルギー切れ。エネルの雷を動力源とするその舟にとってエネルは謂わば必要不可欠な"電池"。それを抜いた道具は、動きを止める。
「ヤ、ハハハッ。仕方……ない。ここは一旦、ハァ、引くしかなさそうだ……!」
「させるとでも?」
「 "雷仰"……! ヤハハ、ハ。女、急がねば、ここが、ハァ、消し飛ぶぞ……」
「依姫! あれを!!」
「なっ!?」
上空の雷雲が形を球状にしていく。エネルの最後の抵抗にして、最強の切り札。その威力は、空島スカイピアで放たれたものとは桁違いのもの。大きさは十倍以上にもなる。
「覚えておけ、ハァ……必ず、必ずこの 限りない大地を手に入れる。ハァ、必ずだ!!」
彼は、今の状態で戦いを挑むほど馬鹿ではない。時には退くことも重要であることを、彼は学んだ。
「今以上の力をつけて、おれはここに戻ってくる。その時が、貴様らの最後だ……」
☆★☆★☆
「厄介ね。あの人」
「ええ。ですが……」
☆★☆★☆
エネルは、その身を赤く染めながら段々と離れていく月を睨み、言った
「……次は勝つ!!」
☆★☆★☆
依姫は、空に浮かぶ不気味な球状の雷雲に向かって言った。
「……次も勝ちます」
新たな決意を胸に、彼らは互いに背を向ける
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