兎と騎士と獣
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方関係なく邪魔するものは蹴散らす。それがリンレイ・S・モーガンという女性だ。
「ちゃっちゃと仕事終わらせてくるかッ!!」
屋上の地面を踏み抜き、瞬間移動したかのように、距離を詰めていく。そんな彼の背を見て、折紙は、
「気をつけて、暁夜」
そう呟き、AST本体へと合流を始めた。
?
『四糸乃の元に向かう準備は出来た?士道』
インカムに聞こえる琴里の声。士道は1度だけパペットに視線を送り、覚悟を決めたように頷く。
「あぁ、覚悟は出来た。暁夜にもASTにも誰にも四糸乃は殺させない。俺が・・・四糸乃を救う!」
『−−よろしい。右手に真っ直ぐ、大通りに出るまで走りなさい。四糸乃木の進行方向と速度から見て、およそ五分後にそこに到達するわ。その位置からなら先回りできるはずよ』
「了解・・・っ!」
指示を受け、士道はインカムを外した。ここからは自分だけの言葉で、やり方で、四糸乃を救う。
「待ってろよ、四糸乃」
凍りついた路面に足を取られながら、速度を維持して走っていく。 やがてひとけのない大通りに差し掛かり−−足をグッと踏みしめた。
「逃げるなああぁぁぁ!!」
女性の怒声が響きその数秒後、遠くに、鈍重なシルエットが見えてくる。
滑らかで無機質なフォルム。頭部には、ウサギのような長い耳。間違いない。四糸乃の顕現させた天使?〈氷結傀儡〉だ。
士道は喉を潰さんばかりに声を張り上げた。
「−−四糸乃ぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「・・・・・」
猛スピードで迫る人形の背に張り付いていた四糸乃が、ぴくりと反応を示す。どうやら士道に気づいてくれたらしい。凍り付いた路面を滑る様に移動していた〈氷結傀儡〉が、士道の目の前に停止する。そして鈍重そうな人形が身を屈めたかと思うと、その背に張り付いていた四糸乃が涙でグシャグシャになった顔を上げた。
「お、おう、四糸乃。久しぶりだな」
「・・・士道さ、ん・・・!」
四糸乃が身を起こし、うんうん動物タワー首を縦に振る。 その際、四糸乃が〈氷結傀儡〉の背に開いた穴に差し込んでいた腕が抜かれる。四糸乃の指にはそれぞれ指輪のようなものが輝いており、そこから〈氷結傀儡〉の内部に、細い糸のようなものが伸びていた。もしかしたら、操り人形のように〈氷結傀儡〉を動かしているのかもしれない。
「四糸乃、おまえに渡したいものがあるんだ」
「・・・?」
四糸乃が、涙を袖で拭ってから、問うように首を傾げる。
「ああ、これを−−」
と、士道がポケットにしまっていたパペットを取り出そうとした瞬間。
「避けろ!士道!!」
聞き覚えのある声が響くと同時、士道の後方から四糸乃目がけて、一本の紅い何かが放たれた。それ
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