第百七話
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第百七話 入浴中に
華奈子と美奈子は二人でキーウィを食べた後で洗面所で二人並んで歯も磨いた、もう何も食べることも甘いものも飲むこともしないつもりだからだ。
それから服を脱いで風呂に入ったが。
二人で身体を洗いつつだ、華奈子は美奈子に言った。
「ミンチン先生みたいな人だとセーラにね」
「お風呂もよね」
「多分だけれど」
「ええ、満足にね」
美奈子もこう答えた。
「入らせてないわよね」
「絶対にね。というか」
「というかっていうと?」
「昔の欧州はそんなにお風呂入らなかったから」
「あっ、そんなお話あったわね」
華奈子もその話を言われて思い出した。
「日本程はね」
「入らなかったから」
「そうだったわね」
「だからセーラは余計にね」
「殆どお風呂入らせてもらわなかったの」
「私達は毎日だけれど」
母親に入る様に言われているのだ、それは女の子が体臭がきつくてはいけないという母の考えからくるものだ。
「けれどね」
「セーラについては」
「殆どだったと思うわ」
「それも嫌ね」
「他の娘達もそうだったと思うけれど」
十九世紀のイギリスではというのだ。
「それでもね」
「こき使われていた時は余計に」
「酷かったと思うわ、だからね」
美奈子は身体が終わると髪の毛を洗いはじめた、華奈子もそうだが美奈子は髪の毛が長いので余計に手間がかかっている。
「セーラは本当にね」
「辛かったのね」
「けれど耐えて」
そしてというのだ。
「奇麗な心のままだったのは凄いわね」
「それね、何があってもだったからね」
「挫けなかったわね」
「あれ立派よ、本当に最後は仕返しもしなかったしね」
「そのことがやっぱり一番凄いかしら」
「そうかも知れないわね」
復讐出来る立場になってもしなかった、それが気高いというのだ。
「セーラは本当のプリンセスでミンチン先生は本当に可哀想な人」
「そうよね」
「見事に正反対ね」
「そう思うとミンチン先生みたいな人にはなりたくないわ」
二人で髪の毛を洗いつつ話した、二人はここで小公女についての結論を出した。
第百七話 完
2018・11・21
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