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ドリトル先生と日本の鉄道
第八幕その九
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「そちらの部活もありますけれど」
「あれはもう職人芸だよ」
「そこまでですか」
「僕から見れば」
 それこそというのです。
「その域に達しているよ」
「そうなんですね」
「手先を使うことは苦手なんだ」
 だから家事も一切出来ないのです、先生が家事をしようとするとすぐに動物の皆が止めてきました。
「子供の頃からね」
「先生は学問の人なんですね」
 和田君は先生のお話からこのことを察しました。
「そういうことですね」
「そうなるかな」
「わかりました、それじゃあ」
「僕は学者の立場としてかな」
「これからも宜しくお願いします」
「実際に造ることは任せて下さい」
 宮田さんも言ってきました。
「皆で得意不得意を考えて」
「そうしてですね」
「力を合わせてやっていきましょう」
「それでは」
「はい、皆でやっていきましょう」
 宮田さんが言って新垣君と和田君も頷いてでした。
 皆で力を合わせてドーラの動く模型も造っていくことになりました、早速ディオラマやドーラの模型の製作がはじまりました。
 今日のことがあってです、動物の皆は研究室で先生に言いました。
「先生って本当にね」
「手先のことは駄目だから」
「スポーツもね」
「だからプラモもね」
「どうも僕の手はね」
 先生ご自身も自分の手を見て言います。
「手術の時以外はね」
「駄目だね」
「後はフォークやスプーンを使うだけで」
「後お箸」
「そういうのを使うだけだね」
「本やペンは持てるけれど」
 そしてパソコンの文字の入力も得意ですが。
「それでもね」
「本当に先生不器用だから」
「プラモなんてね」
「ましてやプラモ部の部室にあったみたいなのは」
「あのプラモどれも凄かったね」
 老馬がしみじみとして言いました。
「ロボットも戦車も」
「あれも職人芸だね」
「全くだよ」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「塗装も完璧で」
「今にも動きださんばかりだったよ」
「金属の重量感や錆の感じも描いていたけれど」
 ホワイティもこのことにはびっくりです。
「よくそんな塗装出来たね」
「プラモの接着の後のラインもなかったし」
 ポリネシアはパーティングラインのことも驚いています。
「まさに小さな本物だったわ」
「ロボットなんて」
 トートーが言うことはといいますと。
「ちゃんとポーズまで付けてね」
「とんでもないこだわりを感じたわね」
 ダブダブはこのことにびっくりしていました。
「何処までも精巧にっていう」
「日本人の趣味へのこだわりは凄いよ」
「全くよね」
 チープサイドの家族も舌を巻いています、鳥にも舌はちゃんとあります。
「何処までも精巧で」
「好きなものにはとことんだからね」

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