004話 現状把握と学園都市
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とを聞いたシホは顔を俯かせながら、
「今度から全開で開くのはよしておこう。いちいち騒がれたら堪らないから…」
「隠遁性もかなりあるからな。そうしておいた方が得策だな」
「はいです」
「ところでタカミチ…今日はどうして来たの? 仕事とか忙しそうだけど…」
「ああ、その事だけどシホ姉さん。学園長の方針で姉さんを学校に通わせようという案が挙がっているんだ」
「…うーん、ようするに監視のため?」
「…まぁ、いい気分じゃないけどそうとも言うけどね。姉さんのことをまだ疑っている過激派が多いからの処置なんだけどね」
高畑の表情はそれで曇ってしまう。
抗議はしたようだが、さすがに野放しにできないと言い含められてしまったのが今でも悔しくて堪らないらしい。
「まぁしょうがないか…吸血鬼の私が無断でいなくなっても騒ぎが起こるだけだろうし」
「封印処置もされていないから尚更だな。まったくこれだから組織の人間というやつは…」
エヴァがぶつぶつ言っている間に高畑が話を続ける。
「編入手続きはもう済ませてあるから来年の三学期から通うことになると思う。
学年は二年で僕のクラス、そしてエヴァや茶々丸君もいるから便りにするといいよ」
「ちょっと待って。そこはもしかしなくても女子学校…?」
「?…そうだけどなにか不都合でもあったかな?」
「いや、別にこれと言ってないけど…女子の学校ってだけで、なぜか罪悪感が沸いてくるんだよね。
私はこの通り女性のはずなのに、こう…どうしてか違和感を覚えるというか。
これも失われた前の世界に関係していることなのかな?」
「どうだろうな…? 案外その失われた記憶の自分は男性だったんじゃないのか?」
エヴァの言葉に、しかしシホは曖昧な表情をして、
「うーん…やっぱり駄目みたい。思い出せないわ。大事な記憶だと思うんだけど…」
「ご主人様、タマモはもとが男性だったとしてもご主人様のことは大好きですよ!」
「ありがとう、タマモ」
タマモがシホの手を握り、シホもそれを握り返す。
そこはかとなく薔薇色な雰囲気が流れ出しそうだがタマモの「キャー! いっちゃいましたー! タマモ、頑張りましたぁーッ!!」と言って雰囲気を瞬時に砕いたおかげで全員ある意味冷静になれた。
「それでだけどアヤメ君はどうする?」
「はえ…? 私ですか?」
「その姿のまま学校に通わせるわけにもいかないからね」
「確かに…。尻尾と耳は隠しようがないからな」
エヴァと高畑がお互いに納得している中、タマモは大声をあげて、
「絶対に嫌です! 片時とはいえご主人様と離れるなんてタマモには耐えられません! 私も同じく中学生として編入します!!」
「しかしだね…」
「ようは見えなければいいんですよね!? ならば、変
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