第6章:束の間の期間
第193話「足踏みする者達」
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らに境界が薄くなった事……ですね。他の次元世界にも、もしかしたら影響が出ているかもしれません」
「世界の境界云々もそうだが、揺れの原因が不明……ってのも危険だな。どういうものか分からない以上、対策のしようがない」
現世幽世管理局共通して、何よりも揺れの原因や詳細が分からない事が問題だ。
解明しようにも手が進まず、手掛かりとなりそうな情報も少ない。
ごく一部だけが、影響を把握している程度でしかなかった。
「前例や、似た出来事がないのも痛いです。全てが手探りになりますから……。おまけに、幽世側からだと出来る事が限られます」
「組織として存在している訳ではないものな。自由に身動きが取れないのは痛い」
緋雪すら、自由に身動きが出来ない。
そもそも情報収集などに向いた能力ではないのも関わっているが……。
「いえ、式姫がいるので、いざとなれば情報収集においては少なくとも現世の日本より上を行けます。……出来る事が限られるのは、幽世が閉鎖的な世界だからです」
「そっちか……。所謂、死後の世界みたいなものだからな……」
現世とは表裏一体の世界とはいえ、その範囲も日本だけだ。
故に閉鎖的な世界となっており、世界の出入り口も日本だけだった。
「……結局の所、私達はここで足踏みしているしかありません」
「……そうか……」
諦めたように溜息を吐く緋雪。
……実際、今緋雪やティーダに出来る事などなかった。
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