第6章:束の間の期間
第193話「足踏みする者達」
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合はその通りだろうと、緋雪は肯定した。
「それと、リンカーコアも同じようなものですけど、霊力を酷使しすぎると寿命を縮めます。リンカーコアが大きく破損するような事を霊力で行えば、ほぼ確実に死にますね」
「寿命を……生命力そのものを扱うなら、妥当か……」
リンカーコアも、全損するような事があれば、死ぬこともある。
その点においては、大した違いではなかった。
「まぁ、簡単な違いはこれぐらいですね。……あ、これは余談ですけど、地球にも魔法はあったみたいです。尤も、その魔法はリンカーコアを使わず、大気中のマナを扱うみたいで、どちらかと言えば霊術に近い扱いですけど」
「そうなのか……」
管理外世界として扱われていた地球に、独自の魔法文化もあった事に、ティーダは若干ながら驚いていた。……尤も、散々驚愕する出来事に遭遇しているため、驚きとしてはそこまで大きなものでもなかったが。
「霊力に関しては何となくわかったが……瘴気と言うのは?」
「簡単に言えば有毒ガスみたいなものです。ただ、その性質が霊力などに似ている部分があって、負の性質を持っているので、浄化の類の術じゃないとあまり打ち消せません」
「……それじゃあ、さっきからやっているのは……」
会話の間も、緋雪は瘴気を破壊の瞳で爆破し続けている。
偶に妖が生成されて襲い掛かってくるが、緋雪どころかティーダにも軽く倒されている程、その状況が自然だった。
「私のレアスキル“破壊の瞳”は、概念的な破壊も可能なんです。さすがに浄化系の術には劣りますけど……手っ取り早いので」
わざわざ術式を用意するよりも、ただ瞳を握り潰す方が手間がない。
概念的な破壊をするための集中が必要とはいえ、術よりはマシだった。
何より、緋雪は浄化系の術が得意ではないため、こっちの方が効果的だった。
「概念的か……俺にはまだ理解が及ばない領域だな」
「幽世で暮らしていれば、その内理解できますよ。私も生前はもっと大雑把な力の使い方をしていましたから」
生前の緋雪及びシュネーは、力任せな魔法行使が多かった。
だが、幽世に来てからは、とこよや紫陽に鍛えられ、人並み以上に精密操作が出来るようになっていた。
なお、それでも優輝や鍛えてもらったとこよ達には及ばなかったりするが。
「ただ、今はそれよりも……」
「現在起きている異常事態をどうにかしないといけない……か」
「……はい」
一通り瘴気を破壊し終え、軽い話から重い話へとシフトする。
内容は、やはり世界中に起きている異変。
「現状表立って起きている事は幽世と現世の境界が薄れ、二つの世界が混ざり合おうとしている事。二度、原因不明の揺れが起きた事。そして、その影響でさ
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