第一章
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薬騒動
山田美鈴と林純奈は今は美鈴の神託でミャンマー西部にいた、美鈴は西部のその密林を前にして純奈に言った。
「いや、ここはあれとよ」
「うち等が起きた時の世界ではですよね」
「そうたい、あのインパール作戦たい」
「あれはひどか作戦でしたね」
「私のひい祖父ちゃんその時インドシナにいたとよ」
美鈴は自分の祖先の話もした。
「それで危うくたい」
「インパールに行くところだったのですか」
「配属転換でそうなりかけたとよ」
「では」
「本当に運が悪かったらたい」
「インパールに参加して」
「死んでいたかも知れなかったとよ」
この作戦で日本軍は九割を超える損害を出した、三割の損害で全滅と言われるがそれどころではなかったのだ。
「いや、よかったとよ」
「若し曽祖父さんがインパールに参加されていたら」
「今も生きてないばい」
「曽祖父さんご存命ですか」
「もう九十七歳ばい」
「それはご長寿ですね」
「百歳まで生きると言ってるたい」
あと三年は生きるというのだ。
「私もそうして欲しいたい」
「ここまでくればですね」
「そうたい、百歳まで生きてたい」
そしてというのだ。
「お祝いしたいたい」
「そうですね、百歳は本当に節目ですし」
「是非共たい」
こんなことをだ、美鈴は純奈に話してそのうえでだった。
二人で神託を探してだった、近くの街に入り。
素性を隠したうえで冒険者のギルドで神託でありそうなものを探した、そしてその結果これはという依頼を見付けた、その依頼はというと。
「先輩、これはばい」
「ああ、どうもたいな」
美鈴は純奈のその言葉に応えた。
「これはというものたいな」
「やっぱりそう思われるですたい」
「思うとよ、人探したいな」
「この街の近くですね」
「娘さんの名前はチャン=チャット=チーさんたいな」
「村長さんの娘さんですか」
「その人がお父さんの病気を治す為にですたい」
「山一つ向こうの隣町まで行ったたいが」
それがだったのだ。
「行方不明たいな」
「これは、ですね」
「おそらくたい」
「神託ですね」
「そんな気がするたい、ではたい」
「この依頼受けられますね」
「そうするたい」
このことを決めてだ、そのうえでだった。
美鈴は純奈と共にこの依頼を冒険者として受けて街の近くにあるその村まで行った、そうしてすぐに村長に事情を伺うと。
村長は自宅の自身のベッドの中から二人に話した、見れば初老の蛇人である。
「わしの皮膚病を治す為にです」
「その為にですたい」
「はい、この村には丁度そのお薬がなくて」
「隣町にまでたいな」
「薬を買いに行ったのですが」
「この辺りは娘さん一人で行ったら危険た
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