第五章
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「アマゾンの魚や植物は養殖したり植えないで下さい」
「それは何故じゃ」
「はい、琵琶湖には琵琶湖の生態があります」
だからだというのだ。
「ですから」
「アマゾンではないからか」
「そうです、ですから」
「絶対にか」
「それはしないで下さい」
「どうしてもか」
「それをされたいのなら」
アマゾンの魚や植物を育てたいならというのだ。
「アマゾンにおいてです」
「そうなるか」
「例えばアマゾンに鮒がいたらどうですか」
琵琶湖によくいるこの魚がというのだ。
「どうですか」
「それは」
そう言われるとだ、鯰頭の長老もだった。
どうかという顔になってだ、こう言ったのだった。
「困るな」
「そうですね、自分がそう思われるなら」
「ならか」
「貴方達もです」
「ピラルクやアロワナは育てないことか」
「植物もです」
「琵琶湖の中で生きてか」
そしてとだ、鯰頭の長老は述べた。
「琵琶湖の魚や植物をか」
「食べて育てて下さい」
「そうか」
確かな声でだ、鯰頭の長老は応えた。そのうえで尾崎に答えた。
「ではな」
「はい、これからはですね」
「わし等は日本にいたい」
「この琵琶湖にですね」
「そう思っているからな」
「ならです」
尾崎は長老にさらに話した。
「アマゾンの様に暮らさずにか」
「お家や生活はいいですが」
「アマゾンの魚や植物はだな」
「そちらが駄目なのです」
「そういうことか」
鯰頭の長老は頷いた、そのうえで村人達に話してこのことを徹底させることにした。だが話はこれで終わりではなく。
尾崎達は今度は最初の村に行って人魚の長老と会って彼にも話した。
「ブラジルの生活習慣はあの人達のもので」
「そのことはじゃな」
「はい、認めて」
そうしてというのだ。
「お付き合いされて下さい」
「あちらの魚や植物は植えないのじゃな」
「そこは納得してもらいました」
「それでか」
「そうです、あちらの文化ですね」
「それはか」
「認められて」
そのうえでというのだ。
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