第五章
[8]前話
「それに家が破産する位なら」
「肩代わりをですか」
「幸いうち等はお金には困っていません」
「魔物を退治されていてですか」
「はい、その中でお金を持っていますので」
実際に二人だけでなく星の者達は多くの金を持っている、巨人をはじめとした強力な魔物を倒す機械が多いからだ。
「それで、です」
「今回は、ですか」
「寄付という形で」
少年の家を破産から救うというのだ。
「そうします」
「左様ですか」
「はい、そうします」
こうしてだった、純奈は自分の金でうわばみの被害の修復や賠償も行った。うわばみはまた檻に戻ったが今度は前よりもさらに厳重に守られる様になった。騒動を起こした少年は両親だけでなく街中からこれ以上はないまでにこっぴどく怒られて深く反省することになった。これでようやく終わってだった。
純奈と美鈴は繁華街と塾の人達から感謝の言葉を受けて報酬も貰った、そのうえで名古屋の街でだった。
騒動を収めたことを祝って夜に今度は名古屋の鶏の鍋を肴に楽しく飲んでいたがこの時にであった。
純奈の前にあるものが出て来た、それはというと。
「保元物語ですね」
「軍記ものの書たいな」
「これは」
その書を手に取ってだ、純奈は向かい側の席にいる美鈴に話した。
「持っていると兵法がわかります」
「そうした神具たい」
「はい、そして」
さらにだった、純奈は美鈴に話した。
「知力も上がりますね」
「そうたいか」
「これで采配もこれまで以上に出来る様になりました」
「それはよかことたい」
「そのうえで」
純奈は美鈴にさらに話した。
「神託の試練を乗り越えて」
「それでたいな」
「うちは全体的に強くなりました」
「それはよかことたい」
「そうですね、うわばみのあれが神託でしたね」
「そうたいな」
「それを乗り越えたので」
その為にというのだ。
「うちは成長出来たとです」
「それはよかことたい、では」
「それではですね」
「これからたい」
美鈴は純奈に鍋を食べつつ話した。
「鍋とお酒を楽しんで」
「宿で休んで」
「そしてたい」
「次の場所に向かいましょう」
「そうするたい」
「そうですね、うち等は神託を適えて終わりではなかとです」
「それからもあるたい」
だからだというのだ。
「明日は次の場所に向けて出発するたい」
「そうしましょう、うわばみの神託も終えたので」
それでとだ、笑顔で言ってだった。
純奈は美鈴と共に飲み神託を適えたことを心から喜んだ、そうして次に自分達が向かうべき場所に向かうことを誓った。今は美味い酒と鍋を楽しみながら。
酒好きなれど 完
2019・1・28
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