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酒好きなれど
第二章

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「今うわばみが街の中で大暴れしているんだ」
「うわばみ?」
「そうなんだ、友達の健吉が操り損ねて」
「その健吉って子は獣使いたいな」
「わかるんだ」
「うわばみを操り損ねるのはたい」
 そこからだ、純奈もわかったのだ。
「獣使いたい」
「獣を操るからだね」
「それでわかったとよ」
 純奈にしてもというのだ。
「そこでたい」
「そうなんだね」
「それでたい、うわばみたいか」
「うん、僕はメイジの見習いで富田与作っていうんだ」
 男の子はここで自分のことを話した。
「この街の居酒屋信長の息子で兄ちゃんと一緒に学校とメイジの塾に通っていて」
「それでメイジの服を着ているたいな」
「そうなんだ、塾はメイジの他にもプリーストや青魔術師のものもあって」
 そしてというのだ。
「そしてね」
「獣使いもたいな」
「そのコースもあるけれど」
 それでもというのだ。
「そこの健吉が先生が操っているうわばみをね」
「自分も操れるとか言ってたいな」
「それでなんだ」
「操り損ねてたいか」
「檻から出しちゃって」
 そのうわばみを入れていた場所からというのだ。
「操ろうとしたら」
「操り損ねて暴れだしてたいな」
「今大暴れしているんだ」
「成程、事情はわかったたい」
「店から店のお酒を狙ってね」 
 うわばみは酒を好む、これは三輪神社の神が蛇であることからもわかることだ。
「もう飲んで飲みまくって」
「この繁華街の居酒屋のお酒がたいな」
「なくなりかけているんだ」
「そうたいか」
「これが一大事ばい」
 美鈴も男の子の話をここまで聞いて言った。
「だからたい」
「はい、すぐにうわばみをどうにかしましょう」
「そうすべきたい」
 美鈴も頷いてだ、そしてだった。
 二人でだ、男の子に案内されて繁華街の中に入るとだった。
 全長十メートルはある巨大な白い大蛇が居酒屋の一つを襲ってそこにある酒を神通力で自分の口まで持っていってだった。
 樽の蓋も瓶の栓やコルクも神通力で開けてだった、そうして口の中に入れてまさにうわばみという飲み方をしていた。
 それを見てだ、純奈は言った。
「これは凄いですね」
「あのお店のお酒はなくなるばい」
 美鈴も見て言った。
「そして見たところたい」
「他のお店もですね」
「既に犠牲者が幾つか出ているたい」
 観れば繁華街の店の幾つかが破壊されて泣いている者達がいる。
「そしてたいよ」
「はい、このお店もですね」
「ではたい」
「ここはですね」
「あのうわばみを退治するたい」
「そうしましょう」
 こう話してだ、二人でだった。
 うわばみを退治しようとしたがそこで狩り衣を着た中年のオークの男が出て来てそのうえで二人に言ってきた。
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