混迷する戦場
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に取られてしまったが、奴を沈めるのは此方の手柄だと、撃って撃って撃ちまくる。空母達もここで全て使い潰すつもりで艦載機を放ち続ける。
「ね〜ね〜、夕立達の出番は無いっぽい?」
「まだ……ですね。ニライカナイの水雷戦隊も奮戦していますが、何やら怪しい雰囲気です」
『そう言うこった、夕立。お前らは後詰めだ……大人しくしてろ』
「……了解っぽい」
手持ち無沙汰になって飽きてきたのか、夕立が自分も戦わせろとぶぅぶぅ文句を言い出した。だが、神通と提督に止められれば待つのも吝かではない。
やがて肉薄していたニライカナイ艦隊の水雷戦隊の面々が放った魚雷が炸裂し、リバースド・ナインの身体は水面へと沈んでいく。
「darling!リバースド・ナインの撃沈を確認したヨ〜!」
『よくやった、まぁトドメはあっちの連中らしいな?』
「仕留めたのはニライカナイの天龍みたいネ。ちょっと悔しいデース……」
『いいさ。こっちでもレーダーやら通信機やらのノイズが消えたのを確認した。蒼征からも帰投せよって電文が入った』
「……darling、それは変じゃナイ?」
『やっぱりお前もそう思うか?』
任務完了の報せ。撃沈を己の目で確認したというのに、金剛は拭い切れない違和感を感じていた。
「Yes、なんでmissioncompleteしたのに、ニライカナイは退かないのか」
『ノイズが消えたのに通信ではなく電文を寄越した壬生森……』
それに何より。
『ウチに寄ってから帰らねぇってのは、奴に関して言えば有り得ねぇ』
あの食いしん坊の叢雲と熊野を思い出す。話の内容から察するに、あそこの連中も揃いも揃って味に五月蝿いらしい。そんな連中がウチに立ち寄れるチャンスを逃すとは思えない。そこから導き出される結論は。
『金剛、今すぐこっちに戻ってこい!ただし、対空警戒は怠るなよ!』
「ちょ、ちょっと待つネdarling!まだ戦闘は終わってないんじゃ……」
『だから戻ってこいってんだよ、馬鹿!急げ!』
無線から焦ったような提督の声が響く。しかしその声も、突然無線が不通になる事で途切れてしまった。
「darling!?応答してヨ!」
音信不通になった無線に、なおも叫び続ける金剛。しかし無線はザーザーとノイズを垂れ流すだけで反応は無い。
「全艦、最大戦速!提督と合流します!」
万が一、何かのトラブルが提督の座乗艦に起きたのだとしたらーー。金剛は渦巻く不安を押さえ付け、海を駈ける。
一方その頃、提督の座乗艦では……。
「無線、突如不通!未だ原因不明!」
「対空・対水上レーダー共にホワイトアウト!」
「ネガスペクトラムの
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