44部分:第四話 岩清水健也その十
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第四話 岩清水健也その十
「汚い性根がね」
「だからこうしてやるのよ」
「ほら、何か言いなさいよ」
如月はまた神無の背中を踏み躙りながら言った。足が背中にめり込んでいる。
「何か。言いなさい」
「だからどうして?」
神無はまだわからなかった。どうして自分が今こんな目に遭うのかをだ。自分には心当たりのないことだったのだ。
「私貴女達には何も」
「だから言ってるでしょ。むかつくのよ」
これが如月の返答だった。
「だからよ。こうしてやるのよ」
「そんな・・・・・・」
「ほら、奇麗にしてやるよ」
「感謝しなさいよ」
三人は神無のあちこちに水をかけ洗剤をかけてだ。そうしてモップをなすりつける。時には蹴りさえ入れていた。
そして遂にはだ。ラクロスというよりはホッケーの要領でそのモップで神無を転がしはじめた。そうしてだった。
「そーーーーれ!」
「ぶつけてやるわよ!」
トイレの壁に転がしてぶつけたのである。神無は背中から壁に叩きつけられた。
「痛っ!」
「痛いじゃないわよ」
その顔に如月のモップが来た。顔にまとも当たった。
「これで終わりじゃないからね」
「言っとくけれどな」
長月はもがき苦しむ神無にすごんでみせてきた。
「親とか先生に言ったらもっと酷いことになるからな」
「覚悟しなさい」
「いいわね」
文月と霜月も言う。そうしてそのホースや洗剤やモップを神無に叩きつけてだ。それからこんなことも言うのだった。
「なおしておきなさいよ」
「自分でね」
もう倒れて動けない神無に言い捨ててだ。自分達はトイレを後にするのだった。
そしてそのうえでだ。四人でげらげらと笑うのだった。
「ああ、すっきりした」
「見た?あいつの顔」
「見た見た」
四人で実に楽しげに話す。誰もいない屋上にわざわざ出てである。
「見られたものじゃなかったわよね」
「もういい気味」
「ざまみろってんだ」
「そうよね。楽しかったわね」
如月も三人に対して言う。
「胸がすうっとしたっていうか」
「けれどな。もっとな」
「もっとやりたくなるわよね」
「もっともっとね」
三人はこんなことを言う。そして如月も。
「そうよね」
三人のその言葉に頷いてだった。
「それじゃあ今度は何してやる?」
「先輩達や弥生に見つからないといいしな」
「うん、そうよね」
「見つからないように徹底的にやって」
そうして、というのだった。四人はそのまま堕ちていこうとする。
しかしそれはだ。岩清水に撮られていた。彼はその撮ったものを従兄に対して見せた。すると従兄はこう彼に言った。
「いいね、いい映像だよ」
「最高の証拠だね」
「これをどうするかはわかるね」
「うん」
彼は従兄の言葉に
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