第四節、剣の鍛ち手
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が三画回復するまで待つか? それも却下だ。明後日には時間切れで人理修復は不可能になる。
そもそも、仮にこの巨大樹を斬り倒したとして、それがこちらに向けて倒れてきたらどうする? ぺちゃんこになってしまうだろう。
一か八か、聖剣で切りつけた場所に聖杯があることに賭けるか? 馬鹿馬鹿しい、そんな確実じゃない手段に訴えるなんて愚か者のすることだ。
「……」
疲れているのだろう。くだらないことまで考えてしまう。こめかみを揉みながら、俺は頭を振った。
どうするかなと巨大樹を見上げながら、ぼんやりと空を埋める枝葉を眺める。時の流れは緩やかだが、かといって決して心が安らぐようなものでもなかった。
むしろ刻一刻と過ぎ去る時に、胸の内に灯った焦りの火が徐々に勢力を強めてきたのを感じる。
眼を閉じて、気を落ち着ける。ここに来てまさかの手詰まりに浮き足立ちそうになるのも無理はないのかもしれない。だが今の俺はチームリーダーなのだ。弱音を溢すのも、癇癪を起こすのも無しだ。
ふう、と鉛色の吐息に全てを乗せて吐き出し、気持ちをリセットした。眼を開き、仲間を見渡す。
「で、どうする。残念ながら俺に策はない。さすがにこんなもの、想定してなかった」
「……わたしもです。ですが先輩、こんなに大きな樹が帝都を呑み込んでいたのに、帝都を間近にするまで誰一人気づきもしなかったなんておかしくありませんか?」
「……視覚阻害か、空間隔離か。帝都一帯がローマの国土を囲む結界宝具とは別たれ、界層が異なったものになっているのかもな」
腕の立つ魔術師の工房にはありがちな仕組みだ。
異界と異界を結合させ、それぞれを別空間とすることで身を隠すなり、実験体を捕らえるなりしていることがざらにある。まあ、こちらの方が規格も規模も桁外れに上なのだが。
マシュの疑問に答えつつ、他に気づいたことはあるか、と問う。
「……ネロさんが神祖ロムルスに授けられた『ローマの火』があれば、あれの中にも入れるのではないでしょうか」
「入ってどうする? あの中が空洞だというなら話は別だが、そうでないなら帝都に入ったところでネロ以外が押し潰されて終わりだ」
「えっと……すみません。何も思い付かないです」
「それは俺もだ。気に病むな、マシュ」
肩を落とすマシュの背を軽く叩いて気付けをし、俺は他の面子も見る。ここで必要なのは火力ではない。閃きと、知恵だ。
アタランテは、首を横に振った。言うことはないということか。
アルトリアは、俺と目が合うと、静かに言う。
「……一つだけ案があります」
「聞かせてくれ」
「私の聖剣であの巨大樹を斬りつける。これしかありません」
「……、……言ってることが分かってるのか?」
眼を細め問い質すと、アルトリアはハッ
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