第三節、不破不敗
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し、アルトリアとオルタを弾き飛ばした。
あれは技量の差というより、霊基の差による出力の違い。紙のように空を舞わされながらも、青と黒の騎士王は魔力放出によって空中で体勢を制御し、魔力をジェット噴射して猛然とアッティラに挑んだ。
霊基の差、そんなものは怯む理由になりはしない。ネロとマシュと、即席とは思えぬ巧みな連携で、主にネロの守護に重きを置きながら立ち回る。
それでも形勢は不利だった。一撃が致命打となる剣撃の嵐、今のカルデアのサーヴァントはそれに抗うのに手一杯で、ともすると決定打となる一撃を貰いそうになる場面が幾つもあった。
その度に、彼女達の周囲を旋回するように駆け回るアタランテの矢と、巧みに戦局を回す士郎の剣弾が危機を救った。アタランテ、士郎、どちらかの援護が欠けていたら、たちまちの内に誰かが斬り伏せられ、ドミノ倒しのように全員が戦闘王の前に膝を屈していただろう。
それは戦っているアッティラにも良く分かったはずだ。ネロが何かを見計らうようにアルトリアとオルタ、マシュの立ち位置を調整するように立ち回り、それを悟られぬように猛攻を仕掛ける。
だが、アッティラは悉くを凌ぎ、腕に走る星の紋章に魔力を注いで、逆に強烈な竜の尾のような一閃でネロ達を吹き飛ばした。
その目が、士郎を睨む。
アタランテの足には追い付けない、ならばもう一人の戦闘の要である弓兵を狙い膠着状態を脱さんとするのは極めて自然な流れだった。
瞬間、吹き飛ばされていたネロが叫んだ。
アルトリア! オルタ! マシュ! シェロォオ!
常勝の王達と、戦巧者の士郎は、各々の立ち位置からネロの真意を一瞬で悟る。ネロの企図した作戦通りの展開がこれなのだ。
士郎は瞬時に命じた。令呪、起動!
オルタの黒い聖剣が、横合いから殴り付けるように解放される。
黒い極光、闇の斬撃。アッティラは振り返り様に宝具を発動。
『軍神の剣』
黒い極光と拮抗し、アッティラの足が止まったのと同時に、ネロは怪力のスキルを取得。マシュの手を掴み、士郎とアルトリアの間に投げ放った。
士郎はマシュに叫んだ。守りは任せた! 令呪起動!
それは、完璧に決まった聖剣のクロスファイヤー。アッティラを抑える黒い聖剣の反対側から、アルトリアが聖剣を解放。黄金の極光によりアッティラを撃つ。
戦闘王アッティラは、アルトリアの聖剣の先に士郎がいることから宝具の解放はないと見ていたのが誤りだった。こと円卓ゆかりの者の宝具に対しては無敵の防御力を発揮するマシュを知らなかったのだ。
仮想宝具を疑似展開。十字架の大盾の前面に張られた淡い光の結界は、アルトリアと士郎の間に展開され――
オルタに抑えられていたアッティラは、回避もままならずに星の
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