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人理を守れ、エミヤさん!
第三節、不破不敗
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して放つ。

 真名解放『偽・螺旋剣(カラドボルグU)

 射手がアタランテ一人となっていた十秒の間に、しかし戦闘王アッティラは間合いを詰めるのに手こずっていた。尋常でない弾幕、狙いは粗いが規格は対軍のそれ。捌ききるには足を止め、確実に被弾を避ける必要があった。
 アタランテの『訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)』が尽きるのに、九秒の時を要した。その内に士郎は剣弾を滑らかに装填。片膝をついて射出体勢を取り、いざ疾走し一気に距離を詰めようとしていたアッティラに照準して、空間を引き裂く螺旋の剣弾を射ち放った。

『――軍神の剣(フォトン・レイ)

 着弾の瞬間、壊れた幻想によって破壊力を高めた投影宝具が、その爆炎ごと三色の光の奔流に呑み込まれた。
 顔を顰める士郎。自身の最大攻撃力を誇る一撃が、悪魔的なまでの魔力に底上げされている宝具で掻き消されたのだ。その攻撃力は、聖剣に匹敵すると改めて見せつけられる形だ。
 恐るべきは、宝具を連発してなお衰えた様子のない戦闘王の猛威。底の抜けた器のような戦いに、アッティラ本人の体が軋んでいた。

 ――後先を考えない暴走だな。この戦いにアッティラが勝っても、彼女の霊基は崩壊するだろう。

 士郎の読みは正鵠を射ていた。アッティラは己が滅びるのも厭わず戦いに没頭している。
 二射と言ったがもうデータはこの一射で充分だった。士郎は前言を撤回すると告げ、ネロを見た。指揮を任せる、ここまで観察していて活路は見い出せたはずだ。ネロは頷き、火に包まれた剣を掲げて高らかに詠った。

 余のアタランテよ、機動力を活かして矢を射掛け続けよ! アルトリアとオルタは余に続け! シェロは援護を頼む!

 何!? と驚愕する士郎を置き、騎士王達を率いてネロは自ら戦闘王に向けて突撃した。

 皇帝特権を持つネロである。下手を打ったわけではないはずだが、それでも士郎は傍らのマシュに指示した。ネロを守れ! 俺はここから援護に徹する!
 それは自身から守りを離す暴挙。だが何より危険なのは直接アッティラと矛を交えるネロだ。士郎もネロも、どちらも欠いてはならないのだから、より危険な方に守り専門のタンクを回すのは当然の選択だった。
 マシュは決然と大盾を構えて前線に赴く。そこに恐怖はあれど迷いはない。士郎は大声で叫んだ。ネロ、信じるぞ! カルデア第二のマスターは不敵に微笑んで応じた。余に任せよ、最高の戦果を得て魅せる!

 一番に斬りかかったネロは、果たしてアッティラの一撃で手が痺れて体勢を崩し、屠られそうになったがアルトリアがさせじと割り込む。振り下ろされた軍神の剣を聖剣が受け止め、アルトリアが苦悶に顔を歪ませて足が地面に陥没していった。
 背後からオルタが迫る。見えているようにアッティラは対処
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