第二節、その心は
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意図が解らない。
……筋道を立て、論理的に考える。
まず、この手を打った者は、根本的に戦争のための戦術を理解していない節がある。
俺の経験上、魔術師などの理論が先立つ学者タイプに似ているような気がした。
戦争は得手ではない、しかし頭は回る……典型的な理論派、感覚よりも数値を重んじる打ち手……。荒事が苦手なのは間違いない。さもなければ神祖と別けてサーヴァントを投入する訳がない。
……いや、過小評価は危険か。行動の一つ一つに意味を持たせ、無駄なことはしないと考えた方がいい。
戦力を別ける意味……パッと思い付く魔術師らしい思考の癖を沿う。
例えば人形を使い魔として用いる、工房に閉じ籠る魔術師が、己の使い魔を同士討ちさせないために打つ手法。……これを仮にサーヴァントに当て嵌めて考えると、神祖と新手のサーヴァントは別口の召喚である線が浮上する。もしそうだったら、神祖にも無差別に攻撃するかも知れない。だから別けた?
……強引な説だが、そのサーヴァントが物の分別のつかない狂戦士のサーヴァントだとしたら、筋が通らないこともない。他に考えられることもほぼ有り得ないと切り捨てられる故に、この仮説を下地にもう少し切り込んで思索する。
この特異点にある聖杯でサーヴァントを召喚したなら、神祖は無条件に味方としてサーヴァントの霊基に刻まれ、余程の条件が揃わない限り狂戦士であっても同士討ちはしないはず。
ならば考えられるのは、神祖を取り込んだのとは別の聖杯を用いての召喚だが……そうなると、何者がこのサーヴァントを召喚したのか容易に察せられた。
魔神柱の状態でこちらを襲撃し、俺達を観察した『人間』である。
手を上げてチームに停止するように指示しつつ、その思考をトレースし、プロファイリングする。
荒事を専門としない、理論派の魔術師。戦術は不得手だが頭は回る。わざわざこちらを直接観察に来る慎重さと大胆さ、手の早さから無駄を好まない合理的な性格と思われる。
この第二特異点だけに舞台を限定して考えてはならない。相手はこちらがレイシフトするのと同じで特異点から別の特異点に移動する手段を持っているのだ。
そこまで考えて、一歩思考を下げる。
なんの為に神祖と新手のサーヴァントを別けたか。この理由を仮に違う聖杯を用いての召喚だからだとする。
相手が別の特異点で活動している輩とすると、俺達がしくじらない限り、いずれはカルデアとぶつかるのは確定的である。
であれば相手は盤面の向こう側にカルデアを想定して動くようになる。ならこれまでにも活動していたとして、その活動の方針を転換することも考えられた。そうすると、一度は思考をリセットするだろう。そして、慎重な性格ならゆっくりと考える時間を求める。するとまず、何をするか
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