第四十幕:響き広がる虹
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ら?」
心桜「・・・・・」
笹夜「私は七夏ちゃんに、私の本当の気持ちを知っておいてほしかったの」
心桜「知っておいてほしいって、笹夜先輩はそれでいいんですか?」
笹夜「お互いに心から惹かれ合わないと、長くは持ちませんから・・・」
心桜「惹かれあってるかなんて、そんなの、すぐに分かる訳ないよ!」
笹夜「すぐには分からないですけど、今なら時崎さんのお気持ちが分かります」
心桜「え!?」
笹夜「私の想いは、時崎さんには届かない・・・」
心桜「そ、そんなっ!」
笹夜「この後、私は、時崎さんへの想いを断たれると思います」
心桜「なんで・・・なんで・・・うぅ・・・」
笹夜「心桜さん、あなたは、どちらの味方なのかしら?」
心桜「・・・どっちも・・・どっちもだよ! うぅ・・・」
笹夜「ありがとう・・・優しい子ね♪」
−−−−−−−−−−−−−−−−−
高月さんが、居間に姿を見せた。その後に先ほどとは様子ががらりと変わって、しょんぼりしたような天美さんを連れて。
時崎「た、高月さん!」
笹夜「はい!?」
さっきの二の舞になってしまう。はやく言うんだ! はやくっ!
時崎「き、昨日の事なんだけど・・・」
笹夜「・・・・・」
高月さんは、真っ直ぐ俺を見つめてきている。この想いにしっかりと応えなければ!
時崎「その・・・ごめん」
笹夜「・・・・・はい♪」
心桜「うわぁ〜ん!!!」
時崎「!?」
突然、天美さんが大声で泣き始めた。すぐに高月さんは、天美さんをかばうように抱きしめる。以前に七夏ちゃんがそうしてた時の事と重なる。俺は、状況が分からず何も出来ないままだ。
凪咲「心桜さん!? どうしたの?」
凪咲さんが、天美さんの泣き声を聞いて居間に着たけど、その様子を見て、俺の方を見て、再び台所へと戻って行く。俺は何も出来ないままだけど、凪咲さんは事情を読み取った上で、何もしなかった。何もしていない事に変わりは無いけど、その差は大きい。
俺は1人の少女を傷付け、1人の少女を泣かせた。いや、泣かせたのは二人・・・最低だ。
大切に想い、大切に考えれば考えるほど、望んだ結果から遠ざかるのは何故だ!?
傷を癒し合うかのような二人を見ていられなく、俺は自分の部屋に駆け込んでしまった。
二人の事が気になって仕方がない・・・自分から逃げ出しておきながら、どれだけ都合が良いのだ!?
時崎「七夏ちゃん・・・」
さらに、七夏ちゃんの事も気になっていて、どうしたら良い!? どうすれば・・・。いつもの日常が遠く霞んでいる。離れかけて、ようやく気付くようでは遅い。だけど、普段の出来事、あたり前のような事って、それが続いている間は、大切な事なのだと気付くのが難しい。
<<凪咲「少し、距離を置い
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