第四十幕:響き広がる虹
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じゃ、笹夜先輩!」
笹夜「・・・・・」
心桜「お兄さんも、後で話しあるから!」
時崎「あ、ああ」
天美さんはそう話すと、高月さんを連れて2階の空き部屋に入って行く。天美さんが高月さんに話す事の予想は付く・・・けど、それ以上に自分の想いを高月さんに言えなかった事が情けない。
凪咲「柚樹君」
時崎「少し、居間へどうぞ」
凪咲「すみません。ありがとうございます」
頭では分かっていても、いざその場になると、なかなか思うように言葉が出てこない。相手を傷付けたくないなんて綺麗事なのかも知れないな。だって、そうやって先延ばしにすると、より多くの人を巻き込むのだから。天美さんと高月さんの話しが終わったら、俺の気持ちを高月さんに伝えよう・・・今度こそ。俺は拳に力を入れて決意した。
−−−−− 2階の空き部屋 −−−−−
心桜「笹夜先輩、どういう事ですか?」
笹夜「昨日、電話で話したとおりです」
心桜「なんで、そうなるの! 笹夜先輩! つっちゃーとお兄さんの事、応援するって話したよね?」
笹夜「今でも応援してます」
心桜「じゃなんで!? お兄さんにっ!」
笹夜「二人を応援する事と、私の想いを時崎さんに伝える事は別ではないかしら?」
心桜「そんな! 別じゃないっ! 笹夜先輩の行動でつっちゃー泣かせたんだよ!」
笹夜「なぜ、七夏ちゃんは泣いたのかしら?」
心桜「そ、それはその・・・」
笹夜「七夏ちゃんと時崎さん、お二人はまだ正式にお付き合いしているとは聞いてません」
心桜「そうだけどさっ!」
笹夜「私の想いを時崎さんに伝えた事で、二人の心が離れるのなら、遅かれ早かれ、長くは続かない」
心桜「・・・二人を引き裂く事が目的なんですか?」
笹夜「いいえ。二人の想いが本物なら、私の想いを時崎さんに伝える事で、より引き合う事になると思います」
心桜「っ! まさか! 笹夜先輩・・・それで・・・」
笹夜「・・・どうかしら?」
心桜「ぜったい・・・」
笹夜「え!?」
心桜「ぜったい、こじれると思ったから・・・」
笹夜「三角関係になっても結局は、どちらかが両思いになって決着が付きます。決着が付くまでは、辛い想いをする事もありますから、その期間は短い方がいいと思わないかしら?」
心桜「・・・・・」
笹夜「私、七夏ちゃんと時崎さん、それぞれの想いを知った上で、私の想いを告げました。これは、二人を応援する事にならないかしら?」
心桜「じゃ、全部知った上でって事?」
笹夜「ええ。私の時崎さんへの想いは本当の事・・・それを、七夏ちゃんに隠す事なんて出来ません。隠しても七夏ちゃんは、いずれ気付くと思います」
心桜「・・・・・」
笹夜「私が時崎さんへの想いを黙ってて、七夏ちゃんに気付かれる事の方が後々、大変な事にならないかし
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