第四十幕:響き広がる虹
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時崎「高月さん・・・」
俺は、高月さんが七夏ちゃんの事を想う心優しい少女である事を知っている。これだけは間違いないと信じている。高月さんと会って話しを訊く必要がある。そして、俺の想いを伝える必要も。凪咲さんに、高月さんの連絡先を訊いてみる。
時崎「凪咲さん!」
・・・あれ? 凪咲さんが居ない。庭に居るのだろうか? その時、玄関の扉が開く。
時崎「凪咲さ・・・って、たっ、高月さん!?」
笹夜「え!? あ、こんにちは」
時崎「こ、こんにちは」
驚いて、変な声で挨拶してしまった。何の前触れもなく突然現れた高月さんに、どう対応したらよいのか分からない。
笹夜「突然、すみません」
時崎「あ、いや・・・た、高月さんに話したい事があって・・・」
笹夜「・・・・・」
玄関先からもう一人、今度は凪咲さんだ。
凪咲「あら? 高月さん? いらっしゃいませ」
笹夜「こんにちは」
凪咲「七夏はまだ帰ってなくて・・・昨日、心桜さんの家に泊まったの」
笹夜「はい。知ってます」
時崎「!!!」
やっぱり、昨日、七夏ちゃんと高月さんが連絡を取っていたのは間違い無さそうだ。
凪咲「という事は、柚樹君にご用なのかしら?」
笹夜「え!? えっと、心桜さんに呼ばれて・・・」
時崎「!?」
高月さんは、天美さんに呼ばれて、風水に来たという事か。という事は・・・まずいっ! 急がなければっ!
時崎「た、高月さんっ!」
笹夜「は、はい!?」
時崎「き、昨日の事なんだけど・・・」
笹夜「・・・・・」
凪咲さんは、昨日の俺と高月さんの出来事を知らない。ここで話してしまっていいのか!? 凪咲さんと目が合う。すると、凪咲さんは、何かを察したかのように軽く頷いて、台所へと移動してくれた。
時崎「・・・・・」
笹夜「・・・・・」
今、ここで俺の想いを告げると高月さんを傷付ける事になってしまうと思うと、なかなか切り出せない。急がねばならないのに急げない・・・どうすればいいんだ? 大切な人の大切なお友達を傷付けてしまうなんて、俺は望んでなんかいない・・・けど−−−
玄関の扉が勢いよく開く。
時崎「あ、天美さん」
心桜「・・・どうも!」
天美さんは、もの凄く表情が険しい。初対面時に警戒された時以上であり、その鋭い眼差しは、俺ではなく高月さんを差していた。
時崎「な、七夏ちゃんは?」
心桜「つっちゃーなら、あたしん家に居る・・・なんでか分かる?」
時崎「え!?」
心桜「笹夜先輩! ちょっと話あるんですけど・・・」
笹夜「・・・ええ」
心桜「凪咲さーん!」
凪咲「あら? 心桜さん!?」
心桜「ちょっと、空いてる部屋借ります!」
凪咲「え!? は、はい」
心桜「ん
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