第四十幕:響き広がる虹
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考える・・・。
時崎「!!!」
・・・俺は、次の言葉に想いを全て託す事にした。
時崎「七夏ちゃん! 水族館、七夏ちゃんと一緒がいいっ!」
・・・しかし、返事は無かった・・・。まだ早過ぎたのか・・・でも俺は諦めない! 水族館がダメなら、他に七夏ちゃんが喜びそうな事を考えるまでだ!
自分の部屋に戻ろうとした時、背後から微かに扉の開く音がした。
時崎「っ!?」
扉の奥の、七夏ちゃんと目が合う。
時崎「七夏ちゃんっ!!!」
七夏「ひゃっ☆」
七夏ちゃんは驚いて扉を閉めてしまった・・・何をやっているんだ! 俺っ!
時崎「ご、ごめん! 七夏ちゃん!」
再び、そっと扉が開いた。
七夏「一緒・・・」
時崎「え!?」
七夏「水族館・・・七夏と一緒がいいって本当?」
時崎「あっ! ああ。七夏ちゃんと一緒がいいっ!」
しどろもどろになりながらも、俺の想いを七夏ちゃんに伝えると、七夏ちゃんの表情は少し優しくなったような気がした。
七夏「ありがとう・・・です☆」
時崎「良かった・・・」
七夏「ゆ、柚樹さんっ!!!」
俺はその場で膝から崩れ落ちた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今、七夏ちゃんの部屋に招かれている。
七夏「柚樹さん、お返事、ありがとうです☆」
時崎「返事?」
七夏ちゃんは、メモ書きを見せてくれた。今朝、俺が七夏ちゃんから貰ったメモだ。
七夏「おたよりって、自分の気持ちが上手く言えない時に頼るからそう言うのかなぁ?」
時崎「そう・・・かも知れないな」
七夏「柚樹さんのお返事を読んで、私の気持ちも、柚樹さんの気持ちも同じなのかなって」
時崎「そんなに深い意味は無いよ」
七夏「くすっ☆」
七夏「昔ね、お母さんと一緒に見た虹は、七色だったような気がして・・・でも、はっきりと覚えてなくて・・・」
時崎「え!?」
七夏「虹が、柚樹さんの好きな虹・・・私も一緒に見えて、一緒に喜んであげれたらいいなって・・・。でも、そうじゃなくて、私と一緒に見た虹・・・柚樹さんとても辛そうで・・・このまま一緒に居ると、嫌いになっちゃうんじゃないかって・・・」
時崎「嫌いになんかならないよ!」
七夏「え!?」
時崎「だって俺は・・・・・」
七夏「・・・・・」
時崎「好きだから・・・」
七夏「えっ!?」
時崎「虹が好きだから、七夏ちゃんと出逢えたんだ!」
七夏「あっ・・・」
時崎「だから、七夏ちゃんと出逢えて、虹の事・・・もっと好きになった! これからもずっと好きだ!」
七夏「うぅ・・・」
時崎「な、七夏ちゃん!?」
また泣かせてしまった・・・なんでこうなるっ!
七夏「ありがとう・・・です・・・よかった・・・」
時崎「!!!
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