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許されない罪、救われる心
42部分:第四話 岩清水健也その八
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第四話 岩清水健也その八

「それは安心していいわ」
「何で?」
「どうしてそう言えるのよ」
 文月も霜月もすぐに如月のその言葉に問い返した。
「部長あんなに怒ってるのに」
「見つからないなんて」
「あのね、部長はね」 
 如月はいつもより冴えていた。その冴えは落ち着きから来るものだった。彼女は今は迷いがなかったと言っていい。
「言ってたわよね」
「何をだよ」
 長月がその言葉に問い返す。
「何言ってたんだよ」
「だからよ。うちの部員じゃないって」
 指摘するのはこのことだった。
「そうでしょ。言ってたわよね」
「あっ、確かに」
「そういえば」
 二人も如月のその言葉に頷いた。気付いたのである。
「最初は疑ってたけれどね」
「先輩達の話を聞いてね」
「だからよ」 
 またそのことを指摘する如月だった。
「校内にいるとは思っていてもね」
「私達とは思っていない」
「身近にいるとはなのね」
「このこと、大きいわよ」
 如月は走りながら微笑んでいた。
「クラスでもそうだったしね」
「そう、それじゃあ」
「ここは」
「どっしりと構えていればいいのよ」
 こう言うのだった。
「ここはね」
「どっしりか」
 長月はその言葉に顔を向けた。
「落ち着いていけばいいってことだよな」
「その通りよ。ばれてないんだし」
 如月はこのことには絶対の自信があった。
「それならね」
「気にしなくていいのね」
「このままやっていけば」
「そうよ、いいわよ」
 自信に満ちていてかつ邪悪な笑みになっていた。その笑みで話す。
「このままやっていきましょう」
「じゃあどんどんやっていこうぜ」
 長月は如月のその言葉に乗った。
「ばれてないんだったらな」
「そうよ。今まではあいつにも誰がやったのかわからないようにやってきたじゃない」
「ええ、そうね」
「それはね」
 文月も霜月も如月の今の邪悪な笑みに応えて頷いた。
「やっぱりね。ちくられたらやばいし」
「私達がやったってわかったら」
「それはもう止めましょう」
「止める?」
「止めるって?」
「要は周りにばれなかったらいいのよ」
 ここで言うのはこのことだった。
「あいつ以外にね」
「ってことは」
「もうおおっぴらにやるの」
「これまでの悪戯みたいなのじゃなくて」
「あいつに対して直接ね」
「そうよ、直接やってやりましょうよ」
 如月の顔は完全に変わっていた。ドス黒いものになっていた。だが彼女は自分のその顔に気付かずに話を続けるのだった。
「あいつに直接ね」
「そこまで言うのなら」
「ばれないならね」
「やってやるか」 
 三人は如月のその言葉に頷いた。
「それじゃあ次は」
「問題は何をするかだけれ
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