彼女の秘密
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〔では、私のバトルに勝てたのなら…〕
コーテリアは、試合はルーティアに任せると言わんばかりに心で叫んでいた。それとは対に悪魔の笑みのような顔でカルディア侯爵に話しかける。
(あなたに勝てたならいいですけど勝てないんでね。ご遠慮しておきます。)
そう言ってお辞儀をして微笑むカルディア侯爵に笑みを返す。
〔その考えに敬意を評して1つヒントです。[{〔私達は、三重人格ではない。〕}]とだけ言っておきます。〕
少しずつ声の違う私達。カルディア侯爵は、その声に唖然としていた。そのまま突っ立っているのも可哀想だとコーテリアは思いそっと囁き魔法をかけた。
〔周りから見えなくなるように呪文をかけてあげました。期限は明日私のところに来るまで。私のところに来たらわかるので覗かないように。〕
その時やっと顔を上げたカルディア侯爵は、前回に見たルーティアの小悪魔の様な笑みとは違う、コーテリアの微笑みかける天使のような笑顔にのまれふらふらと王宮内を歩いて行った。
{ふぁー。緊張したよ。}
[まぁ頑張ったんじゃない?コーテリアもルーシェもお疲れさん。後は風呂に入って寝るだけだよ。]
〔勉強した後でね。〕
[{わかってる。}]
〜*〜
(何が起こっていたんだ。)
頭の整理がつかないカルディア侯爵は、王宮の中をぐるぐると回り続ける。ぼやっとしながら今日会ったことを整理しようとした。しかし、わかることは姫様が三重人格ではないこと。
(人の声が同時に出せるとか?)
仮にそんなつまらないことだったら、普通にこんな特技があるんですー。って感じで来るだろう。しかし、カルディア侯爵の頭にはそれしか浮かばなかった。その時、女の人の声が聞こえた。女王の声と従者の声だ。2人の声は、風に乗って聞こえてきたぐらいであまりにも小さな声で聞こえなかった。
(今行ったらバレる可能性がある…。)
その時、都合良くもう1人従者が入っていこうとしたのだ。それに重なるようにしてカルディア侯爵は王女の部屋に忍び込んだ。王宮の部屋だから何か罠があるだろうと思ったが、あったのは全体的に白でモチーフされたベッドと机、椅子、本棚、花瓶が置いてあった。いかにも綺麗で落ち着く部屋だ。
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