侯爵のあやまち
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ニヤッと上がった口角。それに突き動かされるかのように話に付き合う。それに、髪色や目の色が一瞬で変わった謎も聞いてみたい。いつも会議を見ていた。これについても何か仕掛けがありそうだ。いつくかの質問が出てきた。またいつか聞いてみる必要がある。
『何をしているの?』
穏やかな、しかし怒りをはらんでいるような声音の主に皆がこうべをたれた。もちろん自分も一礼をした。その女性は女王様と皆から呼ばれている人で、髪も目の色も空色と白が混ざった薄い色をしている。
『私の娘を返してくれる?いたずら好きな娘を。』
にっこり微笑みかけた先には柴犬と一緒に結び付けられた姫様がいた。姫様の髪色や目は金色に変わり、結ばれた紐を魔法で切り{母様!}と大声で叫びみんなに見せびらかすような大立ち回りをした。柴犬も女王に名前を呼ばれて追いかけた。
ぼぉっとしていた侯爵たちに女王は『謝りも何もないのね。』と一言言って退けた。
お姫様は、女王様のところへ行く前に魔法陣を渡して{またそれ読んでね。}と小声で話しかけて女王様のところへ行った。
{またね。いつも会議見てるよ。}
と脅しにも思える言葉を放ち微笑み一礼をした彼女は、俺に手を振って女王様と一緒に去った。
侯爵たちは全員家に帰ることにした。俺は、そのまま残り魔法陣を解いた。
{カルディア侯爵へ。私の正体を気づいたことより感嘆を申し上げます。つきましては、私の部屋に案内いたします。明日の昼に話をしたいと思います。}
招待状をもらってしまったからには、いくしかないが、何を話されるのだろう。あんな幼い子供だ。だが、あの侯爵たちをコケにすると言うあの表情にはそそるものがあった。行っても損はない。
(行こう。)
そう決心して家で夜を待つことにした。
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