36部分:第四話 岩清水健也その二
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第四話 岩清水健也その二
「へえ、弥生やるなあ」
「そうよね。お豆腐のお菓子なんてね」
「面白いの見つけてきたじゃない」
長月だけでなく文月と霜月もそのお菓子に対して笑顔になる。
「そんなのがあったらな」
「私達も食べようか」
「そうする?」
三人も笑顔で話す。
「そのお豆腐のお菓子ね」
「お店の場所聞いてね」
「ああ、それはね」
如月は三人に対してすぐに答えた。
「もうわかってるから」
「えっ、わかってるの」
「それも」
「ええ、わかってるわ」
笑顔でそうだというのだった。
「もうちゃんとね」
「ああ、弥生からだな」
長月は彼女がどうしてそれを知っているのかすぐに察した。
「それでだな」
「ええ、そうよ」
如月もその通りだと答える。
「それでなの」
「成程ね。それじゃあ」
「私達もすぐにそこに行けるわよね」
「そうよね」
今度は文月と霜月が笑顔で言ってきた。四人は同じ机を囲んでそのうえで笑顔でいる。ごく普通の学園生活を満喫していると言ってよかった。
「それじゃあ土曜か日曜にでもね」
「部活の前にね」
「行くか」
「そうしよう」
如月も三人のその言葉に頷いた。
「今度の土曜にでもね」
「だよな。何か美味しそうだよな」
長月はもう今から期待に胸を震わせていた。顔にもそれが出ている。
「お豆腐のケーキとかな」
「お豆腐って癖ないしね」
文月も期待している顔になっていた。
「あっさりしているしね」
「食べやすいし」
霜月も続く。
「何かどんどん食べられそう」
「そうよね。私弟にも買うつもりよ」
如月は弟である睦月のことを忘れてはいなかった。
「ちゃんとね」
「おっ、出たな弟思い」
霜月は彼女の今の言葉を受けて笑顔で述べた。
「相変わらずね」
「相変わらずって」
「弟さん好きよね、如月って」
「昔からよね」
文月も言ってきた。何しろ子供の頃からの付き合いなのでそうしたことをよく知っているのです。彼女のいい部分についてはとりわけそうだった。
「弟さん大事にしてるわよね」
「だって」
弥生はここでいつものことを言った。
「この世でたった一人の弟だし」
「だから大事なの」
「そういうこと」
まさにそうだというのだ。
「それでだけれど。駄目?」
「駄目じゃないわよ」
「むしろかなりいいことよ」84
文月と霜月はそうだと返すのだった。
「それってね」
「じゃあいいのね」
「悪い筈ないだろ」
長月も言ってきた。
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