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麗しのヴァンパイア
第百六話

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                  第百六話  話が終わって
 華奈子と美奈子が小公女についての会話が終わると母は自分の娘達である二人に対してこう言った。
「はい、お話終わったらね」
「それならよね」
「これからは」
「ええ、食べなさい」
 そうしろと言うのだった。
「いいわね」
「ええ、わかったわ」
「それじゃあね」
 姉妹で母の言葉に頷いた。
「餃子と浅漬け食べて」
「お味噌汁もね」
「全部しっかり食べなさい」
 こう言うのだった。
「食べた後は果物も用意してあるから」
「果物は何なの?」
 華奈子はその果物について尋ねた。
「それで」
「キーウィよ」
 母は華奈子にすぐに答えた。
「それ食べなさい」
「キーウィなの」
 キーウィと聞いてだ、華奈子は複雑な顔になって母に尋ねた。
「熟れてるわよね」
「熟れてるから言うのよ」
 これが母の返事だった。
「だからいいわね」
「ええ、食べるわ」
「キーウィね」
 美奈子は華奈子と違って微笑んでいった。
「それはいいわね」
「美奈子キーウィ好きだしね」
「華奈子もでしょ」
「だからあたしは固いと駄目なのよ」
 キーウィは熟れていないと駄目だというのだ、固いキーウィはそれこそ食べられたものではないというのだ。
「それで言ったけれど」
「それは私もよ」
「美奈子もなの?」
「熟れてないと駄目よ。けれど熟れたキーウィなら」
 それならというのだ。
「何個でも食べたいわ」
「そこまで言うってやっぱりあたし以上よ」
「そうかしら」
「そう思ったわ。じゃあね」
「晩御飯食べたらお風呂に入る前に」
「一緒に食べましょう」
 そのキーウィをというのだ。
「そうしましょう」
「一人二個ずつよ」
 母は数も言った、そうして二人でキーウィも食べるのだった。


第百六話   完


               2018・11・16
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