たたかい
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
薙ぎ払った。
一方ベルは向かってくる炎に対し、双刃を掲げた。
ベルへと向かった炎は双刃に吸い込まれ、人一人分の安全地帯ができる。
ベルが顔を横に向けると、オレンジの炎の中で食人花がもがき苦しんでいた。
一体、また一体と灰になる。
全ての食人花が焼き尽くされると、双刃が周囲の炎を全て飲み込んだ。
「ちょっとオーバーチャージかも…」
ベルは自分の内に渦巻く莫大な魔力に意識を向けた。
刹那。
━━━━━━━━オオオォォォッッッ!!!
雄叫びと共に、巨体が現れた。
「なんだよ……あれっ!」
ベルからかなり離れた位置に、奴はいた。
緑色の、雌型の食人花。
食人花を蛸の触手のように束ねた脚。
そこにロキファミリア幹部陣が攻撃を加える。
ベルが見ただけでも、幹部陣は有効打を与えられていなかった。
「囮が要るっ…」
ベルが得物を持ち替えた。
双剣から、長剣に。
「ヴェルニー」
ベルが風を纏い、中を蹴る。
交戦圏に侵入し、再び双剣に持ち替えたベルを、触手が襲う。
「フランロート!」
深紅と黄金の焔を纏ったベルの一撃が触手に浅い傷をつける。
深く切る必要は皆無。
中に焔を送り込めれば、燃え尽きる。
ブチブチブチィ…!
「バカなっ!?」
別の触手が、焔が回る前に切られた触手を引きちぎった。
「兎君! 本体をやらないとダメだよっ!」
「面倒なっ…!」
ベルは焔を纏ったまま触手の有効範囲から離脱する。
ォオオオアアァァァ……!!!
雌型の食人花がベルに視線を向けた。
自分を燃やしうるベルを脅威と見なしたのだ。
「こっちに来いっ…!」
ベルがバックステップで後退する。
ドシュッ! と全力の触手が一本つきだされる。
「プラムオーク!」
触手とベルの間に幾本もの火柱が上がる。
火柱を一つ通る度に、触手の外皮は焼け、ベルの下に届く頃には中程から焼け落ちていた。
フランロートを発動したまま、ベルが駆ける。
ベルが野原に雌型の食人花を誘きだす。
「【間もなく、焔は放たれる。忍び寄る戦火、免れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き」
リヴェリアの詠唱と共に、膨大な魔力を伴ったマジックサークルが現れる。
ォォォォォオオオオオオォォォォッッッ!?
雌型の食人花が振り返る。
「もう遅い!」
触手をうねらせ、雌型の食人花がリヴェリアに突進する。
触手がリヴェリアに殺到する。
雌型の食人花が勝利を確信した時。
リヴェリアがさっと飛び退いた。
霧散するマジックサークルと魔力。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ