暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica29-C大隊の罠〜Overture〜
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ン、戦術級装甲車両オーガU、AMF-E搭載型移動要塞エキドナの試験運用。相手は最強クラスと名高いルシリオンとトリシュタンだった。結果は見てのとおり大失敗。試験機とはいえ、大きな痛手だ。

「やはり最強格の魔術師相手では、マスターの造ったAMF-Eでも大して効果がありませんでしたね。試験運用の相手にルシリオン君をわざわざ選んだのですが、残念・・・」

「そうね〜。まぁトリシュタンには通用するようだけど〜。オランジェ・ロドデンドロン隊には魔術を発動できないアンジェリエ、クラリスもいるわ〜。トリシュタンもそうだし〜。それに・・・」

第3島を見下ろすことの出来るデッドサウス群島で最も標高の高い山の頂、そこに仮面持ちが3人と居た。1人は豊満な胸を持つ女性、他2人は少女で、女性を主として扱うように側に控えている。3人ともウサギの仮面を被っており、セーラー服の上に白衣を纏っていた。

「ルシリオン君の弱点も判ったわ〜」

ルシリオンの名前を親しそうに呼んだ女性が展開したモニターにはアイリが映し出されている。

「ユニゾンさえさせなければ〜、AMF-Eの状況下限定で〜・・・ルシリオン君を殺せるわね〜」

間延びした口調で断言した女性仮面持ちに、「マスター。次はどうすんの?」ともう1人の少女が尋ねた。

「次など無いわね〜。大隊は失敗したもの〜。ルシリオン君とトリシュタンを逃がした、つまりは反撃の機会を与えちゃったってことよ〜。明日か明後日か、何かしらの手段を用いて仕掛けてくるわ〜」

大隊にとっては危険な状態だが、マスターと呼ばれる女性からは危機感を感じない。その返答に対し少女は「あはは! マスターとフィヨルツェン様の所為じゃん!」と大笑い。

「話は変わりますけど、同志グログから報告にあった、彼らが本物と偽者を区別できたというアレ。どういうことでしょう? 区別が出来るような失敗はしていませんが・・・」

「あぁ、それわね〜。考えられるのはテロメアの長さね〜。元より身代わり用のクローンは使い捨て前提だもの〜。そこまで本物に似せるのは手間が要るもの〜」

ルシリオンが本物と偽者の差が何か気付いたという話がやはり、大隊側へと流れていた。つまりあの通信に参加した者の中に、偽者が紛れ込んでいるということだった。

「まあ、どちらにしろ〜。フィヨルツェン様がそろそろ大隊に見切りを付けると言っていたもの〜。1週間以内に滅ぼされるわよ〜」

大隊への未練など微塵もないのかそう言ったマスターは「じゃあ帰るわよ〜」と踵を返し、少女2人が「かしこまりました」「う〜っす」と返事をした。

――トランスファーゲート――

何も無い宙に歪みが生まれ、3人の仮面持ちはルシリオン達が居なくなったのを確認した後に歪みへと歩みを進めた。

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