暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica29-C大隊の罠〜Overture〜
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甲高い金属音を掻き鳴らしように蠢いていて、ちょっと気持ち悪い。それにしても魔術のウルを受けて、その体が残ってることに驚きだよね。
『あ、なんかAMFが弱くなった・・・?』
『ああ。発射体とAMF発生装置は一緒のようなんだ。ま、一石二鳥だ、嬉しい話じゃないか』
『だね♪』
金属を擦り合せるかのような不快な甲高い音を発しながら機械ムカデが砂漠へと潜行していく。着地したマイスターは機械ムカデを見送って、『つい先ほどまで、俺はアレに苦労していたんだよ』って沈んだ声でそう漏らした。
『まったく、俺も弱くなったものだ。AMF程度に四苦八苦して、アイリが居ないとまともに魔術も使えない』
『こんな事を言ったらマイスターに怒られるかもだけど、アイリはちょっと嬉しい。頼りにしてもらえてるってことだからね』
マイスターは強い。独りでどんな相手でも勝てるくらいに。記憶消失を必要な損失だって割り切れば、“エグリゴリ”相手にだって単独で挑んじゃうって思えるくらいに。でもマイスターはそんな事はしない。記憶はマイスターを支える“力”そのものだから。
(アイリとユニゾンすれば、
魔力炉
(
システム
)
への付加も減って、マイスターを悩ます記憶消失のリスクを軽減できる)
つまり最後の最後まで、アイリはマイスターと一緒に戦えるということ。それが融合騎アイリにとっての幸せだ。あと出来ればひとりの女の子として愛してくれたら良いな〜、なんて♪
『そうか。・・・頼りにしているよ、最期のその瞬間まで』
『・・・はいっ!』
最期と最後。マイスターとアイリの言う“さいご”には妙な齟齬を感じる。解かってはいるんだ、アイリも。ガーデンベルグを斃したら、マイスターも一緒にいなくなるってことは。あーあ、アイリもアースガルドに行きたいなぁ〜・・・。
『アイリ、次の一撃で仕留める。ビヴリンディ、スタンバイ』
『ビヴリンディ? わざわざ苦手な土石系? 得意な風嵐系のロータで、砂漠の砂を巻き上げさせれば・・・?』
マイスターが生まれた世界、魔導世界(または原初世界)アースガルド。その世界に生まれた魔術師は、先天的に風嵐系の属性を得る。風迅王イヴィリシリアがその筆頭。マイスターは全属性を先天的に得たけど、アースガルド生まれということもあってやっぱり風嵐系の魔術だけは、他の属性に比べて威力や効果が高い。
『ロータ、か。・・・アレは直接的なダメージを与えるための術式じゃないからな・・・。いや、アイリからの提案だ。ロータでいこう』
『え、あ、でも、アイリが言い出したことだけど、やっぱりマイスターの考えどおりでいいかな〜・・・なんて♪』
『そうか。なら、ビヴリンディとロータ、両方で行こう』
マイスターはそう言って、両腕を砂漠に突
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