第62話:強き想いは奇跡を起こす
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うにかなるって問題なのかしら」
「いくら親と言っても、暗黒の種は取り除けませんからね」
しかし佳恵を見送った後に京と伊織は肩を落としながら呟く。
「いや、分からないよ。気持ちが届けば、何かが起こるかもしれない」
「うん。私達は今まで、そういう奇跡を何度だって見てきた」
そう言ったのは、タケルとテイルモン。
大輔も子供達の列を見遣りながら口を開いた。
「今回の騒動はあいつらの親も遠因の1つだろ。あんな状態になるような気持ちに気付けなかったんだからな…だからあいつらの親にも責任を取らせてやるんだ」
もし、暗黒の種に縋らなければならないくらい悩んでいたのなら、何故あの子供達の気持ちに気付いてやれなかったのか。
もしかしたら何かが変わっていたかもしれないのに。
「家族が来て、分かり合うことさえ出来れば、暗黒の種の成長を止めることが出来るかもしれない。根拠はあるよ?僕の中にある暗黒の種の成長が止まったのは、父さんと母さんの僕への愛に気付いたから…だから彼らもきっと…」
優しさの紋章の所有者である賢らしい優しさの込められた言葉に京達は頷いたのだった。
「……来たぞ」
ブラックアグモンが今まで閉じていた目を開いて呟いて向こうを見遣ると確かに及川がいた。
「行くか、慌てないで行くぞ。人質を取られたら動きにくくなる。」
大輔はゆっくりと立ち上がって及川と子供達の元に歩み寄ると、ヒカリ達も慌てて立ち上がって追いかけていく。
「よう」
大輔が声をかけると及川と子供達を阻む形でアルケニモンとマミーモンが出ることで、一般人達の悲鳴を上がる。
「邪魔はさせないわ」
「悪いけど、戦いに来たわけじゃねえんだ。負けを認めに来たんだよ」
「「は?」」
目を見開く2体を無視して大輔は及川を見つめる。
「大した物だよあんたの作戦は…世界中にダークタワーを建てることで俺達を世界中に散らせて、暗黒の種を欲しがる子供達を捜し出して、見事に暗黒の種を手に入れて子供達に植え付けてもう俺達にはどうしようも出来ない所まで来ちまった。これはもう負けを認めるしかねえわ。俺達の完敗だ」
溜め息を吐きながら言う大輔に及川は笑みを浮かべた。
「まあ、お前達には散々邪魔されたが、最後に笑うのは俺だったようだな。」
「うん…まあ、どうせ何も出来ないならいくつか聞いてもいいか?気になることがあるんだけど?」
「……いいだろう。最後だから俺に答えられる範囲でなら答えてあげよう」
「じゃあ、ここに子供達を集めたのは暗黒の種が発芽した暗黒の花を摘むためか?」
「そうさ、暗黒の花を摘んでやらなきゃ、体中から暗黒の芽が吹き出して人間のまま暗黒の樹木に変わってしまうからな
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