第62話:強き想いは奇跡を起こす
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け?」
「うん、流石にデジモン3体を隠し通せないしな。あの時ブイモン達が稼いでくれた金があって助かった。おかげで飯は何とかなってるよ」
「デジモン3体分…」
それを聞いたヒカリは少し口元を引き攣らせた。
デジモン3体分が満足するまでの量を作るなど想像出来ない。
特にブイモンとブラックアグモンは大食漢なのだし。
「そうそう、姉ちゃんに料理とかその他諸々教えてんだけどようやく…ようやく卵焼きを焼けるようになったんだよ」
「え?嘘?」
「本当だよ。諦めなきゃ願いは叶うって本当だったんだな」
暗黒or有害物質しか作れなかったジュンが普通の物を作れるようになったと言うのは正に奇跡だろう。
それだけ彼女の料理は危険度が高過ぎたので思わずヒカリは信じられなかった。
「取り敢えずそこまで行くのに物凄く大変だったのは分かるよ」
「…………まあ…ね…」
思わず遠い目をする大輔。
まともな卵焼きを作れるようになるまでとんでもない苦難があったのはヒカリにも容易に想像がついた。
何だかんだで結局連れて来てしまったのか、光子郎と佳恵が子供達の元にやって来た。
「お待たせしました」
「皆さんご苦労さま。おにぎりを作ってきたのよ、良かったら食べて」
「どうもすみません」
ヒカリが差し出された重箱を受け取る。
【ありがとうございました】
子供達は声を揃えて佳恵に礼を言う。
「じゃあ、もう帰って下さい」
「もう少しいちゃ駄目?」
「何が起こるか、分かりませんから……」
こればかりは絶対に譲れない光子郎に佳恵は寂しそうな表情をし、それを見たヤマトはフォローを入れる。
「光子郎の気持ちも分かってやって下さい。お母さんを大切に思うからこそ、言ってるんです」
「それは分かってるけど……あの子達ね……」
渋々と頷きながら佳恵は視線を子供達に向けた。
「はい」
先程見た時よりも更に子供達の列は伸びており、同じ親として心配になるのか佳恵は辛そうに呟いた。
「あの子達のご両親、心配にならないかしら……」
「なるでしょうね……」
子供の身を心配しない親などいない。
心配しないのは余程の最低な人間くらいだ。
しばらくじっと見つめていた佳恵だが、何か閃いたのか明るい声を上げた。
「そうだわ!私、あの子達のご両親に話してみる!自分達の子供が何をしているか、自分達の目で確かめて下さいって!!」
「あっ、それいい考えです!!」
「よね!じゃあ、早速行ってくる!皆さんさようなら、無茶は駄目よ光子郎!!」
「はい」
佳恵は有言実行とばかりにこの場を去っていった。
「……親が来て、ど
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