3部分:第一話 辛い気持ちその三
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第一話 辛い気持ちその三
「何でもね。転学のテストあるじゃない」
「ええ」
弥生の今の言葉には如月が頷いた。
「あれ殆ど満点だったらしいわよ」
「それはまた凄いね」
葉月はそれを聞いて素直に驚きの言葉をあげた。
「殆どなんだ」
「一学期の期末テストも兼ねてたけれど」
「それが満点だったんだ」
「そう、殆どね」
こう葉月だけでなく如月にも話す。
「二学期からうちの学校に来るらしいけれど」
「じゃあ暫く先なのね」
如月はそれを聞いて静かに述べた。
「そうなるのね」
「そうね。成績以外はどんな娘かわからないけれど」
弥生もそこまでは知らなかった。どんな娘までかはだ。
「ただ。頭はいいらしいよ」
「成程ね。仲良くできたらいいね」
「そうね」
如月は今度は葉月の言葉に頷いた。
「本当に」
「お兄さんがいるそうだし」
弥生がここでまた話す。このことも聞いていたようである。
「どんな人かしらね」
「それは来てからのお楽しみだね」
最後に葉月が言った。こんな話をしていた。
そして次の休み時間にはだ。如月はそのラクロス部の仲間達と話をしていた。場所は変わらず自分の教室の中だ。そこで教室の真ん中の席に集まって話をしていた。
「それで山崎先輩だけれどな」
「もうすぐ引退よね」
背の高い黒いショートヘアの女の子が黒く長い髪を後ろで束ねた少し吊り目のアーモンドに似た形の目の女の子の言葉に応えていた。ショートヘアの女の子はすらりとした身体で足も長い。長い髪の女の子も同じだが背は相手よりも何センチか低い。
服は二人共えんじのストライブのスカートでありどちらもブラウスはピンクだ。そしてリボンもどちらもピンクだ。しかしショートの女の子はカーディガンを腰に巻いていてそれは黒である。長い髪の女の子は肩にかけている。色は白だ。そこがそれぞれ異なっていた。
その二人がだ。今話していた。
「やっと」
「うちも随分やられたしな」
「私もよ」
二人はこのことをそれぞれ言い合った。
「本当にね」
「だよなあ。何かっていったら秋山って呼んでな」
「そうそう、神崎!ってね」
二人の名は髪の長い方は秋山長月、短い方は神崎霜月という。どちらもラクロス部に所属していてそうしてその先輩にいじめられてきているのだ。
「雑用ばっか押し付けてな」
「お昼もパシリとかやらされて」
「やってやれねえよ」
「全く」
「そうそう」
今度は茶色に染めた髪を肩まで伸ばした胸の大きい女の子が頷いた。顔は少しふっくらとしていて垂れ目である。そして白いカーディガンを着ている。やはりブラウスはピンクでありリボンは一色のピンクだった。名前を夕月文月という。この四人と如月がラクロス部である。
「あんな意地悪い人いない
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