EX回:第69話<潜水艦娘>
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たよぉ。疲れた」
「そうか」
私は、軽くハイタッチをしている二人を見ながら頭の中で航路図を描いていた。
(イ168は山陰から迂回してきているはずだから、もっと長距離だよな……まあ、それは言うまい)
私たちが話している間に二式大艇は水面を滑走して離水した。
それを確認した潜水艦娘たちは手を叩いて喜んだ。
「間に合ったね」
「さぁ、反撃だよ」
二式大艇は水上集落の上を旋回すると、晴嵐と共に水面上に居る深海棲艦の掃討を開始する。
敵は逃げ惑う。奴等も対空攻撃は想定外だったらしい。
それを見ながらブルネイ司令は不思議そうな顔をした。
「おまえたちを呼んだのは誰だ? イ401なんて……」
彼は私の顔を見た。
「いや、美保鎮守府も知らないはずだが」
「技術参謀……いや将校」
びっくりした。
いつの間に背後に来ていた寛代が呟く。それを聞いて何となく合点がいった。
「要するに技術参謀か」
私は、あの青年将校を連想した。参謀から彼に指示が出て動かしたのだろう。
寛代は続けて何かブツブツ言っている。リアルタイムで技術参謀と通信しているのか。
やがて彼女は報告する。
「河に居た深海棲艦を3隻轟沈。残りは外洋へ逃亡。敵の潜水艦も同様と思われる」
「技術参謀からの電文か」
さらに寛代はブルネイ司令の顔を見て続ける。
「ブルネイの鎮守府からは五月雨と吹雪、電まで勝手に借りた。ブルネイには事後報告で済まないが……だって」
それを聞いたブルネイ司令は苦笑した。
「はは。問題ありませんと返してくれ……それにしても、あの女性は凄いな」
「ああ、凄すぎだよ」
本人が居ないことを良いことに私は同意したのだが。
(あ、しまった!)
ハッとした。自分のすぐ側に寛代が居ることを忘れてた。
(聞こえてないよな)
焦って、冷や汗が出た。
だが彼女は相変わらずブツブツと通信をしていた。
(案外、彼女も存在も、誰かさんの差し金だったりしてね?)
そんなことを考えたりした。
以下魔除け
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