第四章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「だからでごわす」
「承知しておる、ではここからな」
「撮影でごわすな」
「そうする」
こう言ってだ、老学者はホワイトドラゴンを撮影していくが。
ふとだ、北原は気になったことがあって老学者に尋ねた。
「この吹雪の中でも撮影出来るでごわすか」
「うむ、このカメラは特別製じゃ」
「魔力や錬金術を入れてでごわすか」
「全天候で使える」
そうした代物だというのだ。
「だから大丈夫じゃ」
「吹雪の中でも使えるでごわすか」
「そうじゃ、防水もしておる」
「では水中でもごわすな」
「海の中でも使える」
海水も大丈夫だというのだ。
「だからじゃ」
「吹雪の中でもでごわすか」
「普通に使えてじゃ」
そしてというのだ。
「壊れることこともない」
「立派なカメラでごわすな」
「その分お金もかかったわ」
老学者は撮影しつつ笑って話した。
「借金もしたわ」
「そうして買ったでごわすか」
「危うく高利貸しにまで手を出しそうになった」
「高利貸しは駄目でごわすよ」
「だから出しかけたのじゃ」
「止まったでごわすか」
「うむ、幸い割安で買えて親父の遺産も使ってな」
そうしてというのだ。
「そのうえで買ったわ」
「そうでごわすか」
「そして今はじゃ」
「アフリカ中も回ってでごわすな」
「ここにも来てな」
「撮影しているでごわすか」
「全てのモンスター、獣の写真を撮ってじゃ」
老学者は吹雪の中を飛ぶホワイトドラゴンの姿をカシャカシャと次々と撮影しつつそのうえで言うのだった。
「凄い図鑑を作るぞ」
「頑張るでごわすな」
「若し抜けがあってもこの島を巡ってな」
この世界に棲息するあらゆるモンスター、獣が集まっているこの島にというのだ。
「わしは撮影するぞ」
「ではおいどん達は」
「協力してくれるか」
「ボディーガード、そしてその他にもでごわす」
老学者の毅然として学問に向かう姿勢に意気を感じてだ、北原は強い声で応えた。
「やらせてもらうでごわす」
「お任せ下さい」
又吉も老学者に応えた、そしてだった。
二人で老学者の為に全力を尽くすことを誓った、幸いこの時はホワイトドラゴンは彼等の方には来なかったが。
大型の餓えた獣やモンスターは度々来た、それでだった。
北原はスノーグリフォンは豪快に一撃で倒してから又吉に言った。
「飯は大丈夫でごわすか」
「はい、まだ」
又吉は北原に応えた。
「大丈夫ですが」
「この寒さでごわすからな」
「食べないとです」
それこそとだ、又吉は北原に言うのだった。
「生きられないですからね」
「寒冷地はカロリーを消費します」
「寒い分だけ」
「しかもこの寒さですから」
「そうじゃ、だからわしもじゃ」
二人の後
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ