9.爆走のD/交流戦開始!〜それぞれの前夜〜
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でしょ。別にそういうわけじゃないわよ」
「普通にやれば負けやしないわ」
「わかってるわよ。あと二、三年したら私の方が速くなってるんじゃない?」
「おバカ。十年早いわよ」
「ねぇねぇ。峠を走るときって上りと下りどっちが難しいの?」
スカーレット姉妹フィーバーの余韻がまだ残っている中、ギャラリーの中の誰かが聞いた。
「そりゃあ下りに決まってるよ。特に博麗は勾配がきついからさ」
「コーナー入り口でのスピードコントロールがすげー難しいんだ。上りならミスしても誤魔化せるけど下りのミスは即事故に繋がるし」
「事故る時はたいがい下りだもんな。重力があるから止めたくても止まらねーで車が暴走するんだよ」
「上りはパワーのある車が有利だけど下りはパワーよりトータルバランスとドライバーのテクだから」
「パワーのない車でも下りだけは滅茶苦茶速いってのが最高にかっこいい走り屋なんだ」
「渋いよなー。あこがれるよー。ダウンヒルのスペシャリストかぁ。でもあこがれるだけだな。下りは恐ろしいから」
そして、その時は来た。
「そりじゃ、ボチボチ始めましょうか」
「わかった。頼んだぜ、池谷」
ドライバーの二人はスタートラインに車を並べた。
(ちょっと、私の相手はこんなのなの!?例のハチロクのドライバーは来てないし!)
(すまない。池谷。見てるこっちまで辛くなってくるぜ。くそぉ、紫の奴。来ないなら来ないって言えよ!ドタキャンはねーだろ!)
10時。この一夏の夜に。
「じゃあ、カウント始めるわよ!」
『ちょっと待った!こちらゴール地点だけど、たった今一般車が一台登って行ったぞ。変なとこですれ違うと邪魔だし待つか?』
「!?咲夜!車の車種を聞いてもらっていいか?」
「?まあいいけど。車の車種はわかる?」
『車種?えーと、たしかリトラクタブルの車だったよ。たぶんハチロクだ。トレノの』
「「っ!!」」
「咲夜!それ貸して!そのハチロク、何色!?」
『さっきから何でそんなことを聞くんだ?白黒だったよ。パンダトレノだ』
((来たぁ!!))
公道最速伝説の幕が開かれた。
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